ノーベル生理学・医学賞を受賞したワクスマンは、抗生物質(ストレプトマイシン、)の発見やそもそも、「抗生物質」と言う言葉を作った人、その人です。



もともと、ワクスマンの専攻は広い意味での土壌学でした。つまり、彼は農学博士なんです。



彼の研究は、その土壌学でも、土に住む微生物、特にその微生物は作る化学物質が研究対象でした。




そんな彼に転機が訪れたのは、彼の愛犬が、病気で死亡した事でした。



彼は、無くなった愛犬を、庭に生め埋葬しました。




暫くたってから、ワクスマンはふと、思います。





”病気で死んだ犬はその後、そのあと、どうなったのだろうか?


犬を苦しめた病原菌は、土の中で繁殖してるのではないか?”





彼は、愛犬の墓を掘り、犬の遺体の周りにある土を徹底的に調べました。



すると、あの愛犬を苦しめた病原菌は、見つかりません。



”どこにいったのだろうか、あの病原菌は・・・”




それから、ワクスマンはこの事が頭から離れませんでした。”一体、土の中で病原菌はどうなったのだろう?”





その後、ワクスマンは弟子のシャッツと共に、土の中にいる微生物の仲間、放線菌の仲間、ストレプトマイセスからストレプトマイシンと言う抗生物質を発見したのでした。



というより、彼は抗生物質という言葉(antibiotics)そのものを発見したと言っていいでしょう。だって、それ以前には、抗生物質と言う言葉すらなかったからです。




ストレプトマイシンは結核にも効果がある初めての抗生物質でしたので、彼がノーベル賞をとったのも当然でしょう。



その後、彼は他の抗生物質も沢山、発見しました。






さて、自分がここで言いたいのは。



土の生物学、ようは土壌学の凄さですね。よく農業では、「土が大事」って言われますが、何がどう大事か?なかなか具体性が欠ける所もあり、掴みどころがないもんです。



この話しでもわかるように、土の中には、抗生物質を作る微生物(放線菌)がいて、それが作る抗生物質で土で悪い病原菌が増える事がないという事ですね。この辺りの話しは、まるで人間の腸内細菌の話しに近いのも、びっくりしますが。



ただし、普通の土をいくら調べても、抗生物質は恐らく見つかりません。恐ろしく、微量だからです。



そして、今も未発見の抗生物質、放線菌も土の中にいる訳です。



そういう訳で、バイオ系のベンチャーの方、がんばってくださいね。w



ちなみに、ワクスマンの発見した放線菌、ストレプトマイセスが好きな土は、栄養の少ない土だそうです。嫌いな土は、栄養がやたら豊富な土。


それから、放線菌の仲間が大好物な物があります。それは蟹ガラです。正確には、キチンとかキトサン!!


これって、甲殻類の殻なんですよね。だから、今、土壌改良剤みたな中にも入ってるかと思います。





あ、それから、自分が言いたいこと。




先日、うちの飼い猫が無くなり、墓を作りました。



その時、このワクスマンの話を思い出したのですが、自分は、墓を掘り返す気にはなれませんでした。^^;



ワクスマン、すげぇ・・・・・。人としては尊敬できないけど・・・。研究者とては流石です。w




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