劇団扉座 ドラマチックリーディング「10knocks」 | Takeshi Niihara official blog

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劇団扉座所属。
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劇団扉座公演
ドラマチックリーディング
「10knocks」

ご観劇いただきました皆様、誠にありがとうございました。

また、ご支援チケットにて応援いただいた皆様、誠にありがとうございました。

出演した作品の思い出などを。


■「夜曲〜放火魔ツトムの優しい夜」

今回の初日の作品でした。
オリジナルメンバーが多く集まり、ぶ厚かったです。
僕は、2003年に同じ紀伊國屋ホールで上演されていた「夜曲」を観て、扉座に入りました。
そのときの演出は茅野さんで、虎清という若殿の役をトモさんが演じていました。
そのトモさんの虎清のことを、凄く凄く覚えています。
今回は、茅野さんが演じた祈祷師の白百という役をいただきました。
演出の横内さんから来るオーダーは、茅野さんのようにやってくれ、茅野さんは凄かった、と。
もう凄く分かってます、だって凄いもん。
自分が劇団に入りたいと思うキッカケになった作品に出演出来て、それがこの「10knocks」の開幕となる。
扉座は来年で40周年。
自分も来年で40歳。
出演出来て、初日の舞台で呼吸が出来て、幸せでした。


■「フォーティンブラス」

来年改修がある紀伊國屋ホールと、作品がリンクしたような、そんな作品、空気でした。
ベテランの元アングラ俳優、信さんをやらせていただき、劇団の修平、客演の吉田美佳子さんと、そして有馬さんとふわふわとした時間を過ごさせてもらいました。
俳優が作品のなかで俳優を演じ、その俳優がまた役を演じるという構造でしたが、紀伊國屋ホールという特別は劇場に包まれて、特別な時間でした。
作品の終わり、なんとも言えない空気で終わっていく、カタルシスの瞬間に、台詞も無く舞台で、相手と目を合わせる。
発散している瞬間も気持ちいいものですが、こういう瞬間がとても劇的で気持ちいいなと。


■「曲がり角の悲劇」

扉座研究所へ入所して、初めて体験した劇団公演。
作品性もあり、みんな凄く殺気立っていたことを覚えていて、この作品が自分のスタートで本当に良かったなと思う作品。
その作品に、ト書きで出演させていただきました。
オール女性キャストのなか自分だけが男性で、ト書きという、一種、演者とはまた違ったポジションに、今公演のなかで一番疲れたことを覚えています。
客演の朴璐美さんの凄さ。
朴璐美さんの凄まじさに、劇団の女優は必死に付いて行って、自分だけでは、いつもの劇団公演の詰められ方では見えない景色が見えたんじゃないかなあと。
それは自分にとっても同じで、必死に勤めました。
自分の始まりの作品に関われて、本当に感謝です。


■「きらら浮世伝」

絵描き、本書きたちが時代に翻弄され、それに抗っていく作品。
いま演劇がコロナによって、表現の場が狭まっていくのとリンクしているような、いま観てもらいたい作品でした。
この作品では喜多川歌麿(勇介)をやらせていただき、とても艶っぽい役で、劇団でなかなかこんな役はまわって来ないので、こういう企画だからこそいただけた役なのかなと。
絵描き、本書きたちが、いまの俳優や作家にあたるとしたら、俳優は一番エネルギーに溢れていなければいけないんじゃないか、と思い、とにかくフルスイングしようと思いました。


長嶋茂雄さんの空振りです。
フルスイングは出来たかなと。。
蔦屋重三郎役の六角さん、花魁のお篠役の客演のキムラ緑子さんと台詞を交わせたことも、とても貴重な時間でした。


■「アゲイン〜怪人二十面相の優しい夜」

怪人二十面相の優しい物語。
怪人二十面相の復活により、彼を愛する手下たち、彼を捕まえようとする明智小五郎チームが再生していく。
とにかくみんな、明智チームも、怪人二十面相を愛している。
怪人二十面相がいるから、存在出来る。
別作品の「新羅生門」にも通じます。
僕は、怪人二十面相を復活させるために手下たちにさらわれる、中年のおじさんになった元少年探偵団。
日常が突然崩れ、たった一晩の非日常が活力を与え、再生されていく。
怪人二十面相、いや、山中崇史先輩の輝きに、全ての人がエネルギーをもらい、心動かされ、なにか幸せな気持ちになり、明日からまた頑張ろうと思う。
一緒にいる自分たちはもちろん、ご観劇くださったお客様も、同じ気持ちになって劇場をあとにしたんじゃないかなと。
まさに、優しい夜でした。
健太さん、翔太と一緒に走り回った少年探偵団の時間が、とても楽しかったなあ。



■「歓喜の歌」

立川志の輔師匠のいくつかの新作落語を下敷きに、横内さんが戯曲にした作品。
市民会館で行われる大晦日のコーラスイベントをめぐる騒動。
僕は、酒井敏也さんが演じた会館職員の加藤くんをやらせていただきました。
ほぼずっと、年下だけど上司の山村主任と一緒にいるんですが、主任は先輩の淳治さんが演じていて、とても楽しく、リラックスしてやらせていただきました。
役の大きさ、物量はありますが、とにかく志の輔師匠の元ネタの落語が面白く、全ての役が作品に守られているような、とにかく嫌な人がいない、観ていて楽しいしかない、そんな作品。
とてもリラックスして、楽しんで演じさせていただきました。
客席で、歓喜Tシャツを着て観劇してくださっている方の姿を見つけて、嬉しかったなあ。
最後はスタンディングオベーションで大きな拍手をいただき、とても幸せでした。




なお、ご支援チケットはまだ販売中でございます。
劇団として、まだまだ応援が必要な状況が続いており、お力添えをいただけましたら、とても嬉しく思います。
詳しくは、劇団扉座HPにてご確認ください。
どうぞ、よろしくお願いいたします。


改めて、ありがとうございました(  ^ω^  )


新原 武