世の中、誠実な人、素直な人は好かれます
「どんな人がタイプですか
」という質問に、
「誠実な人
」と答える女性は大勢いますね。
つまり、嘘をつく人は嫌いという事でしょう。
後、浮気する人も
その気持ち、よく解ります
一方、男性は「素直な女性が好き
」といいます。
つまり、自分のいう事を素直に聞いてくれて、
自分のいう事に逆らわない女性が好き、といいたいのでしょうか
その気持ちも解ります。
確かにそうです
以上のように、嘘をつかない事、
他人を騙さない事が『誠実』だと感じる人は多いと思います。
また、黙って従う事、意見や要望を大人しく受け容れる事を
『素直』と捉える人も多いでしょう。
つまり、自分にとって、都合のいい人、期待を裏切らない人が
『誠実』で『素直』という訳です。
何とも残念な風潮といわざるを得ません。
僕は、自分の気持ちや意見をはっきりと述べる人、
周囲に流されず、自分の生き方を貫く人こそが、素直だと思います。
それは、強さでもあります
周囲の空気を恐れ、本音を隠し、お世辞をいい、
愛想笑いばかりする人が素直だとは、けして思えません。
他人に嘘をつくのは、確かによくない事です。
他人を騙す人は、やはり責められて当然だと思います。
でも、自分に嘘をつくのは、どうなんでしょうか
人生において本当に問題となるのは、
自分に対しての嘘に他ならない、と僕は思います。
アドラー心理学には、『人生の嘘』という言葉があります。
適当な理由をこじつけて、自らの目的や課題から逃げるのは、
まさに自分を騙しているも同然です。
いざ、自分がやろうとする事に対して、
「そんな無駄な事、やめた方がいい」、「君には無理だ、不可能だ」、
「後で痛い目に遭うぞ
」などといって釘を刺す人がいます。
彼らがいってる事は、妄想を伴う自由の侵害に過ぎないので、
全く気にする必要はありません。
中には「あなたのためを思って…
」、
「あなたが苦しむ姿を見たくない
」などという、
善意と思われる(？)忠告もありますが、
これらも、あくまで一個人の意見に過ぎず、
そこには真実である根拠などないのです。
もし、彼らの期待に応えるために行動を止めたというならば、
それは自分に嘘をついた事になります。
本当は「他人に嫌われたくなかった
」、
「他人に決めて欲しかった」だけで、
そもそも、当初の願望や目的など、どうでも良かったのです。
『失敗する恐怖』によって、
やりたい事が出来ない人も大勢いるでしょう。
確かに失敗は嫌なものですが、それを理由に行動を躊躇うようでは、
そもそも意欲的ではないと思われます。
大概の場合、理由は都合よく後付けされます。
実は、やりたい気持ちよりも、
やりたくない気持ちの方が強いにも関わらず、
その「やりたくない気持ち」に蓋をして、
『やれない理由』を捏造する訳です。
人間は、以上のように２つの願望が衝突すると、
矛盾を感じて混乱します
そこから逃れるために、
理由を捏造して精神的なバランスを取ろうとしているのでしょう。
これも、また、人生の嘘といえます。
アドラー心理学では、
人間の感情を『出し入れ可能な道具』と捉えています。
感情とは自然に湧いてくるものではなく、
自分の目的を果たすために、自ら作り出すものです。
例えば、恐怖という感情にも目的があります。
それは、ズバリ「逃げる事
」。
よって、「失敗が怖い
」というのは、
「失敗によって傷付く事から逃げたい」という事に他なりません。
つまり、「傷付きたくないから逃げる」というのが本音なのです。
アドラー心理学では、自己決定性の大切さが述べられています。
自分の人生に対して決定権を持っているのは、
自分以外にはいません。
物事の捉え方、判断、行動など、
全ては、自らの意思と意志で自由に決める事です。
これは、全ての人間が持っている権利であり、
また課題でもあります。
人間にとって、最も大切にすべきは、何でしょうか
それは、自分自身の幸せです
ところが、我々は、社会規範や他人への配慮ばかりを優先し、
つい自分の幸せを後回しにしてしまいます。
それでは、他人に対しても自分に対しても、
誠実であるとはいえません。
自分の本心を欺くのは、他人に嘘をつくのも同じです。
我々は、まず自分に対してこそ誠実であるべきなのです
全ての人間は、幸せになるために生きています。
そのために必要なのは、自分に対しての誠意と、
やりたい事や好きなものに向かっていく勇気です。
心配はいりません。
僕らには、『自己決定性』があります
これこそが、幸せへのパスポートになるはずです