昨日は南魚沼市の職員たち(治水課)の実地研修会があり、
川の専門家でもある魚沼漁協からアドバイザーの一人としてお手伝いをしました。
’97の河川法改正により、
河川改修には自然環境に配慮をしなければならなくなっていますから
自治体が川の現状を観て、魚を初め水辺の生物が生きる環境を考えることは大切です。
漁協の先輩たちの魚野川についての話には
僕の知らない50年以上前の話も含まれ、僕にとっても勉強会になりました。
こちらは木工沈床。
古くから行われる護岸ですが、木枠を組み、
大量の自然石を入れて頑丈にしたものを岸際に設置して浸食を防いでいます、
こちらは伐採した柳の生木を使っているので、
組んだ枠から新芽が出て幼木が生えています。
柳が河畔林として復活していることは副産物なのでしょうが
コンクリート護岸に比べるとはるかに自然に対する配慮を感じます。
入り組んだ石が水生昆虫や水生生物他、稚魚の隠れ場所にもなり、
魚礁の役目も果たしていると言われています。
魚野川では河川法改正の翌’98年に非常に大きな水害があり、
この年を境に大掛かりな河川改修が繰り返されました。
しかしながら、実際の河川改修工事には河川法改正が周知されていなかったのか、
およそ配慮が無いものが多く、水路化する魚野川を憂いた、まだ若かった当時の僕は
独りで自治体に申し入れを繰り返していました。
工事のやり直しが実現したこともありましたが、
その結果、心無い嫌がらせを受けることもあり、無力感にさいなまれたものでした。
実は、この経験が「抗議活動を行わない」というスローガンのもとに始動した
U's +Futures に生かされています。
我々、魚沼漁協塩沢支部は河川改修工事には様々な注文を付けていますが
実際には淵の減少は避けられていませんし、生物多様性が失われていると言わざるを得ない場所もあります。
市の職員の皆さんにも土砂の流出を避ける等の指導を繰り返してもらい
施行者にも意識改革がなされるといいですね。
アンティーズハウス
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