🇰🇷 カット+指名+シャンプー=18,000ウォン (約1800円)。

🇯🇵 カット3,000円+指名料500円+シャンプー500円=4,000円。

どちらも、僕が通っていた美容室の料金だ。

もちろん韓国にももっと安い店もあれば、高い店もある。

日本も同じ。

でも大事なのは、 髪を切り終わった後に

「しばらく帽子をかぶらなくても大丈夫そうだな」

と思えた店の値段だということだ。

 

生まれてこのかた韓国で髪を切ってきた人間。

日本の美容室を予約するとき、ため息を三回ついた。

料金を見て一回。

シャンプー追加のボタンを押す時に一回。

そして指名のボタンを見てもう一回。

韓国では当たり前だったものが、日本ではオプションだった。

日本に来たばかりの頃は、とにかく節約したい一心で1,600円の床屋に行った。

値段はよかった。

でも人間というのは欲が出る。

もう少しおしゃれになりたくなった。

 

そこで美容室を探してみた。

家の近くで評判のよかった店。

メンズカット6,000円。

思わず計算してしまった。

韓国なら一つの季節が終わるまで髪を切り続けても、さらに何食か食べられるくらいの金額だった。

結局、行き着いたのが最後に通っていた美容室。

 

最初はオプションを全部外して3,000円。

しかも韓国語が話せる美容師さんがいた。

髪を切ってもらいながら色々な話もできたし、仕上がりも気に入った。

人間って単純だ。

一度満足すると、また通いたくなる。

というわけで、次からは指名。

プラス500円。

そしてシャンプー。

誰かに勧められたわけでもない。

でも、顔見知りになった美容師さんに「この人、めちゃくちゃ節約する人なんだな」と思われるのがなんとなく恥ずかしかった。

ヘンゼルとグレーテルみたいに、髪の毛で足跡を残していく人という印象を与えたくなかった。

そしてまた500円追加。

あっという間に4,000円になった。

髪型には大満足だった。

でも、長年の習慣というものはなかなか変わらない。

僕は短く切るタイプでもないし、髪も伸びるのが早い。

自分の髪が高級外車でもあるまいし、維持費にここまでかけるのはどうなんだろうと思った。

そこで結局、ドンキホーテへ向かった。

バリカンを買うために。

買ったバリカンは2,900円。

一回髪を切るより安かった。

なんだか投資のような気がした。

さらにAmazonで、ドアに掛けて後頭部まで見えるという鏡も買った。

 

そしてついに、美容師デビューの日。

YouTubeで「セルフカット」の動画を何時間見たのか覚えていない。

鏡をドアに掛けた。

そして鏡の中に、最初のお客さんの顔が映った。

美容師の表情は緊張そのもの。

客も同じだった。

 

「一回ミスったら終わる。」

 

そう思いながら、まずはバリカンの電源も入れず、頭の上で何度も動かしてシミュレーションした。

そしてついに。

ウィィィィーン!

バリカンとダイソーで買ったハサミ。

二人が力を合わせた。

あちこち切った。

 

「おっ? 意外といける?」

 

気に入った。

記念にセルフィーも撮った。

そしてせっかくだから後ろも撮ってみた。

すると……

さっきまでは見えなかった段差が一つあった。

結局、その日は後ろ髪を修正するのにさらに一時間ほどかかってしまった。

 

セルフカットを始めてから、気づけばもう半年。

今ではかなり慣れた。

美容師も笑顔で器用にハサミを動かし、

たった一人しかいない常連客も、その仕上がりに満足している。