文字通りに考えてみると、ご飯+泥棒。
つまり、ご飯を盗む泥棒という意味になる。
初めてこの言葉を聞いた人なら、当然ちょっとした疑問を持つかもしれない。
「ご飯を盗むって?」
生きていくために盗みを働いていたジャン・バルジャンのような人のことなのか?
それとも、ビュッフェでこっそりタッパーを持ってきて、料理を詰めて持ち帰ろうとする迷惑客のこと?
そこで、この表現は日本でも使われるのか気になって、日本人の友達に聞いてみた。
 

 

とのこと。
やっぱり、日本にはない言葉なのかな?と思ったその瞬間、別の友達から返信が来た。

 

 

まさに、それだ。
「ご飯泥棒」とは、まさにそういう食べ物のことだ。
考えてみると、実に不思議な表現である。
料理があまりにもおいしくて、ご飯をどんどん食べてしまう。
それを「ご飯を盗まれる」と表現するのだ。
では、韓国で「ご飯泥棒」と聞いたとき、多くの人が真っ先に思い浮かべる料理は何だろう?
おそらく、多くの人がカンジャンケジャンを思い浮かべるだろう。
カンジャンケジャンは、かなりしょっぱい。
だから、それだけで食べろと言われたら、正直ちょっときつい。
ところが、そこに白いご飯が登場した瞬間、話が変わる。
ご飯のあっさりした味と、カンジャンケジャンの塩気と深い味わいが合わさることで、お互いの味を引き立ててくれる。
そして、一口食べて終わりではない。
カンジャンケジャンの一番基本的な食べ方は、ご飯の上にカニの身をのせて食べることだ。
特に、脚の部分の身をほぐして、ご飯と一緒に食べる。
でも、本当に面白いのはその次だ。
甲羅。
甲羅をひっくり返した瞬間、そこが突然、小さな器になる。
ご飯をそのまま甲羅の中に入れて、カニの身とカニ味噌を混ぜながら食べる。
これは、ただご飯を食べているわけではない。
カニのうま味をご飯に移植しているのだ。
ここにごま油を少し加えると、さらに一段上の世界へ行く。
そして、ここでもう少し欲を出すと、甲羅をまるで自然が作った鍋のように火にかけて、軽く温めて食べることもある。
そうすると、ごま油の香りがさらに立ち、カニ味噌とご飯の風味もより濃くなる。
それをスプーンですくって、韓国海苔で包んで食べる。
そして、気がつけばご飯一杯をペロリ。
いつの間にか、ご飯をおかわりするために台所へ向かい、また食卓に戻ってくる自分に気づく。
この瞬間こそ、「ご飯泥棒」の完全犯罪が成立する瞬間である。
そう。
ご飯を盗んだのは、実はご飯を食べている自分なのだ。
そして料理は……
まあ、僕をそそのかしてご飯を盗ませた親玉とでも言えばいいだろう。
つまり、ご飯泥棒を生み出した張本人だ。
そんなわけで、「ご飯泥棒」と呼ばれる料理は、一般的には塩気が強かったり、ご飯と一緒に食べることで特においしく感じられたりするものが多い。
でも、必ずしもそういう料理だけを「ご飯泥棒」と呼ぶわけではない。
ただ、めちゃくちゃおいしければいい。
誰かが作ってくれたおかずを食べてみて、本当においしかったら、
「これ、完全にご飯泥棒じゃん!」
と言えばいい。
これは、その料理と相手の料理の腕に対する最高の褒め言葉だ。
「おいしすぎて、ご飯がどんどん進んでしまう」という意味だからだ。
とにかく、強盗事件が起きているのに、被害者はいない。いるのは、幸せな加害者だけだ。これがまさに「ご飯泥棒」なのである。