刑法に虐待罪を設けよ | 日本世論の会 本部

日本世論の会 本部

各支部並びに会員相互の交流と広報を目的としています。

今年3月、東京目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5歳)が両親の虐待を受けて亡くなった。その後捜査員は自宅アパートから結愛ちゃんが両親宛てに書いた文章を発見した・・・パパ、ママおねがい、ゆるして・・・覚えたてのひらがなだけの手書きの文章は6月7日の各紙に大きく報道された。結愛ちゃんの悲痛な叫びだ。この文章には多くの人々が衝撃を受けたようだ。

幼児虐待について筆者の思うところを述べてみる。

殺人・強盗・強姦・傷害・暴行・恐喝・窃盗・詐欺・ひき逃げ・・・・世の名には、さまざまな犯罪がある。そのような犯罪の中で、最も悲惨で、残酷で、怒りを覚えるのが幼児虐待だ。力の強い者が弱い者を虐待する。逃げ場のない幼児・・・知恵のない乳児・・・そんな虐待から脱出するべき力をもたない乳幼児の弱い命を奪ってしまう虐待死事件。本来、子供を守るべき立場の親による虐待。特に、母親の交際相手の男らによる卑劣な虐待。子供たちの憤り感・絶望感を思うと・・・言葉もない。力の強い者が何の落ち度もない弱い者を虐待し死亡させる。あらゆる犯罪の中でも、最も許せない犯罪だ。今回も東京目黒区で船戸結愛ちゃん(5歳)への虐待が凶行された。報道によると、想像を絶する虐待だったようだ。

幼児虐待だけではない。認知症の高齢者や知的障害者に対する虐待、刑務所などでの受刑者に対する刑務官による虐待、保育園児に対する保育士による虐待・・・全ての虐待は密室で行なわれる。加害者は、被害者が虐待を訴えられないことを百も承知で虐待を凶行する。卑劣で、許すことのできない犯罪である。

わが国刑法には、礼拝所不敬罪、印章偽造罪、審判妨害罪、往来妨害罪,墳墓発掘罪、中立命令背違罪・・・などあまり聞きなれない罪名がある。しかし、虐待罪という罪名はない。特別法として、児童虐待防止法があるぐらいだ。

今回の船戸結愛ちゃん事件では、東京地検は6月27日容疑者の船戸雄大と優里を保護責任者遺棄致死罪で起訴した。納得できない。長期にわたる虐待の結果、結愛ちゃんを死に至らしめたのだから殺人罪で起訴すべきだ。そして、刑法に死刑など厳罰を科す虐待罪を設けるべきだ。幼児などを理不尽に虐待した者には死刑を含む厳罰を科すべきだ。

(五十嵐岳男)