<「広辞苑」の「基本的人権」の説明改訂の請願> | 日本世論の会 本部

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<平成29年10月26日  請 願 書

 

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿

外務大臣   河野 太郎 殿   

(写し、最高裁判所長官 寺田 逸郎 殿)

 

請願者 湯澤 甲雄  86歳 元銀行員

〒232-0061 横浜市南区大岡3-41-10

 

<「広辞苑」の「基本的人権」の説明改訂の請願>

 

請願の趣旨

 10月25日付産経新聞「広辞苑10年ぶり全面改訂」の記事参照。

 現在「広辞苑」に収録されている国連憲章(国際法)を語源とする「基本的人権」の説明は、我が国の憲法学界の通説に基づいて掲載されています。

 しかし我が国には、昭和54年に締結した国際人権条約(自由権規約・社会権規約)がありますので、同条約に定義された「基本的人権」の法律文が「広辞苑」の説明文に掲載されるべきであります。   

そこで、外務省は英語を原文とする「基本的人権」の「公訳文」と「意訳文」を作成し、それを国会で議決した上で、いずれかの文章を「広辞苑」の説明文に改訂するよう岩波書店に求めていただきたく請願いたします。

これにより国民の基本的人権即ち主権の内容が定まり国家運営の根幹的座標軸が確立するので、立憲された自由民主主義国家の構築が可能となります。同時に、憲法第11条が自衛隊法を含む安全保障各法律の基本法として定まります。

 

請願の理由・背景

(1)我が国の憲法は、軍事占領下の軍政用に創られた憲法ではありますが、前文1項において「自由民主主義を原理とする政治を国是とし、この原理に反する法律は一切排除する」と明確に立憲しています。

自由民主主義を原理とする憲法の中核に、憲法第11条に(国民の基本的人権の享有)を定め、憲法はこれを国民に永久に保障する憲法至高の条文としています。因みに、憲法条文全体を眺めてみますと、国民の宣言文である第9条を除く全条文は、憲法第11条の基本的人権を支える有機的構文となっています。換言すると、自由民主主義を原理とする政治の「基本的人権」とは、「主権」或いは「国体」を意味します。

しかし、憲法第11条(基本的人権の享有)には、「基本的人権」即ち「主権」に相当するものが具体的に何んであるかについて記述がなく、「空白」にされています。主権の無い占領下の憲法ですから当然ですが、重大な欠陥憲法であることの事実を先ず認識すべきです。だからと言って、従来通り「空白」に憲法学界の憲法解釈の通説を挿入することは、昭和54年締結済みの国際人権条約の「基本的人権」の定義に照らして憲法第98条2項に違反します。

 

(2)国際人権条約は、「基本的人権」を次の如く定義しています。

  「recognition of the inherent dignity and of the equal and inalienable rights of all members of the human family is the foundation of  freedom, justice and peace in the world,」

<私の意訳・国よって認められ、或いは、慣習によって現存する家族や共同体を構成する全ての人々が歴史的に形成した固有の尊厳(=習俗宗教を含む国民の習俗「国際人権条約第5条2項参照、Custom」伝統文化、領土、領海、法律等)並びに家族や共同体を構成する全ての人々の同等で固い絆(=慈愛の心)は、世界の自由、正義、平和の基本である。>

上記英文について、外務省は仮訳していますが難解のため十分に意味が汲み取れません。重要な国際法の法文でありますので、キチンと翻訳し、なおかつ、国会の一般決議をもって法律として定める必要があります。その法律が「広辞苑」他文部科学省制定の教科書等あらゆる出版物に掲載され、自由民主主義政治に対する正しい理解を普及させるべきです。

 

(3)「広辞苑第5版」に掲載された「基本的人権」の説明は、以下のとおりです。

    <人間が生まれながらにして有している権利。人は生まれながらにして自由かつ平等であるという主張に表現されており、アメリカの独立宣言やフランスの人権宣言により国家の基本原則として確立。日本国憲法は平等権、自由権的基本権(人身の自由、精神の自由、経済の自由)社会権的基本権の他、基本的人権を確保する参政権などについて規定。>

  上記説明文は、実は我が国の憲法で言う「12条、14条から40条に至る個人の自由と権利に関する条文」の説明であり、或いは国際人権条約前文中段にある「if conditions are created whereby以下の第三部の条文」について説明したものです。これ等は国連憲章の「基本的人権」に属する条文ではなく、「世界人権宣言」の「基本的自由権」に属する「人権」の説明です。これを独国憲法は「基本権」と称し「基本的人権」と区別しています。

 

以上