国連憲章に則ったナショナリズム国家群の育成 | 日本世論の会 本部

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 72日付産経新聞、貴殿の「英EU離脱の真の課題とは」を拝読いたしました。

私も同じような問題意識を感じていまして、安倍総理、米国大使館、駐日欧州代表部宛下記書信を送り、国連憲章への回帰を訴えました。

 ご参考までに、同「写し」をお送りしますので、下記をご参照願います。以上

                          

  平成2871

駐日欧州連合代表部 御中

 

 国王を戴く長い歴史を持つ英国民のEU離脱決意に関する心情を思うとき、天皇を戴く日本国民の心情と特に共通するものがあると感じています。それは、伝統的習俗、習慣を易々と外国人に侵されたくないとする心情です。これは濃淡の違いはありますが、世界に共通する民族の心情であり、これを大切にすることを前提にして基本的人権の尊重という概念がつくられ、それを世界平和の基本として据えて国連憲章が制定されたと理解します。

従って、自由民主主義国が国連憲章の下に再結集し、中ソに負けない強力な国家群の形成を図るべきではないかと思う次第です。 このような思いから、下記意見書を安倍総理大臣宛提出しましたので、お役に立てればと願い、同文をご参考までにお送りする次第です。                                               

               記

<国連憲章に則ったナショナリズム国家群の育成に向けて>(意見)

 英国民のEU離脱(Brexit)の心情は、欧州を二度と戦場にしないとのEU統合の理念を東欧に迄拡大し、しかも「人、物、金の移動」と「民族の自決権」とをグローバル化し過去の栄光と国民(Nation )を破壊したことに対する反感に有るようです。しかしこのグローバル化した政策は、それより以前に、二度と世界大戦を起こさないために創られた国連憲章と一体を成す国際人権条約(社会権規約、自由権規約)が定める内政を重視し、国に求心性を持たせる自由民主主義を普遍の原理とするナショナリズム国家群育成政策とは相容れません。EU当局者の思いは、国連憲章が示す普遍の原理とは異質のものであります。

 国際人権条約に則り自国民の基本的人権を尊重するナショナリズム国家群を育成することによって、「物と金の移動」のみをグローバル化し世界の繁栄と平和を図ることが国連憲章の目的であったと思料します。「人の移動は限定的にするため二国間条約に」委ねられるべきと思います。それぞれの国家に生じる自衛権は国連憲章の安全保障の規定の下におさめることができます。

Brexitの問題は、国連憲章に基づくEUの秩序再編成の問題として、100年以上自由民主主義国である米国や我が国をも介在させて、G7で推進されることが望ましいと思います。

 次に、自由民主主義を原理とするナショナリズム国家群育成政策を推進するには、当該国の憲法にそのような規定が無ければなりませんが、国連憲章公表の後、国際人権条約の公表時期が大幅に遅れたために我が国を含む欧州諸国の憲法も、例えば至高とされる「基本的人権の概念」や後記した「国際軌範」等が確立されたものとは言い難いものとなっています。これらを整合させるために、国連の経済社会理事会の人権関係委員会事務局を改組し、過去60年以上自由民主主義の国家運営を行ってきた国の外務大臣が任命する者が既存する後記の「国際軌範」に沿って国連内規案を策定し、国連事務総長が各国に実施を求める改組が必要と思われます。

 更に、国民(Nation)の有るべき姿を現した後記の国際軌範を各国の憲法条文として明記し、グローバル化による愛国心の無い人間の造出、独裁の出現、富の偏在を防止し、国民に夢と希望の道を開くべきです。それは国連憲章の普遍的政治体制を構築することです。我が国で言えば、皇紀2676年に及ぶ天皇制の習俗を国民の基本的人権の基本に据えて、永久に継続する自由民主主義政治体制を構築することです。

 

なお、国際軌範とは以下の通り、即ち、<「締約国が認定した国民の家族や共同体の人々が歴史的に形成した尊い習俗や人間愛等を、世界の自由、正義、平和の基本である「基本的人権(大義)」(=fundamental human rights=recognition

of the inherent dignity and of the equal and inalienable rights of all

members of the human family is the foundation of freedom, justice and

peace in the world,)とし、これを締約国は至高の条文として尊重すること>

<国民の個人が天賦の自由を享受するために、国連は三十二の条件を創設し、これを締約国は「個人の自由と権利」として司法制度の充実等によりこれを保障し、尊重しないこと(the ideal of free human beings enjoying civil and

political freedom and freedom from fear and want can only be achieved

if conditions are created whereby everyone may enjoy his civil and

political rights, as well as his economic, social and cultural rights,

><「天賦の自由をもって生まれた個人」は家族や共同体の人々に尽くす本分と基本的人権の推進擁護に努める責任を果たす義務を負うこと。(=the

individual, having duties to other individuals and to the community to

which he belongs, is under a responsibility to strive for the promotion

and observance of the rights recognized in the present Covenant)> 

我が国を含む国連憲章全加盟国はこの国際規範の遵守を既に国際公約しており、我が国の場合はこの国際規範を憲法の最高法規としています。

以上