「ここは民泊ではありません。インターホンを押さないでください」-。
京都市東山区で、一般住宅に観光客を有料で泊める「民泊」施設と間違えられたとの苦情が相次いでいるとして、
京都府警東山署は英語と中国語のポスター300枚を配布した。
配布先の一橋学区はJR京都駅や三十三間堂などの観光地に近い住宅密集地で高齢者が多い。
隣家やアパートの一室に民泊施設が増え、昨年11月ごろから
「外国人観光客に夜中に間違ってインターホンを押されたり、家の敷地内に勝手に入られたりする」
と自治会で不満の声が出始めた。
2階の一室が民泊になっているアパートで、1階の部屋に住む男性会社員(56)は
「2階からたばこの吸い殻が落ちてくる。
周辺は木造の建物が多いから火事が心配。
夜中に大勢の外国人利用者がスーツケースを転がし、騒ぐなどして眠れない。引っ越しも考えた」という。
こうした声を受け、一橋自治協議会の鈴木喜市会長(68)は今年4月、民泊の現状や住民の意見をまとめて東山署に提出。 同署はこれを受け、ポスターの配布を決めた。
自宅にポスターを貼った鈴木さんは
「民泊は管理者が近くにいないことが多い。管理者が利用者にしっかりとルールを守らせ、住民とのコミュニケーションがあれば、お互いに気持ち良く過ごせる」と話した。
京都市によると、「民泊」施設は市内に約2700あり、うち旅館業法上の許可が確認できたのは7%にすぎなかった。
一方で、
厚生労働省は住居専用地域での営業の容認など規制緩和も検討しており、住民からの不安は募っている。