裁判後、記者会見する元朝日新聞記者の植村隆氏と弁護団
「慰安婦記事を捏造(ねつぞう)した」などの指摘で名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者の植村隆氏が、ジャーナリストの
櫻井よしこ氏と新潮社などを相手に計3300万円
の損害賠償と謝罪記事の掲載などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が22日、札幌地裁(岡山忠広裁判長)であった。櫻井氏らは請求棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢 を見せた。
植村氏は意見陳述で、慰安婦報道をきっかけに自身の娘らに脅迫があったとして「胸を刺されるような痛みを感じ、涙がこぼれてくる」と訴えた。そして、平成26年に週刊新潮などが掲載した櫻井氏の論文に事実誤認があったとして「私の記事を標的にして捏造と決めつけ、私と朝日新聞に対する憎悪をあおった」と主張した。
これに対し櫻井氏は、植村氏が平成3年8月11日付の記事で、元慰安婦が「女子挺身(ていしん)隊の名で戦場に連行」と報じた後、だまされて慰安婦にされたことが判明しても記事を訂正しなかったと指摘。「事実とは異なることを書き、意図をもって訂正しなかったとすれば、それを捏造記事と評したことのどこが間違いか」と反論した。
次回の口頭弁論は6月10日に行われる。