平成28年3月7日
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
日本世論の会神奈川支部 監事 湯澤甲雄
横浜市南区大岡3-41-10電話045-713-7222
1、 改憲の方向性に関する提議
安倍首相は3日の参院予算委員会で、憲法改正について「最終的に決めるのは国民で、国会は発議するにすぎない。国民的な議論の中で、国の形を決めていくことが大切だ」と述べた。憲法を国民の心の在りどころに、改正するというのだから方向性として正しい。
これに対し、公明党漆原良夫中央幹事会会長は「野党に結集軸を与え、利用される」と懸念が示された。民主党枝野幸男幹事長からは、安倍首相が具体的改憲項目に言及しなかったことについて牽制する発言がなされた。
安倍総理は、大多数の国民の心の在りどころに立って改憲を進めるからには、少なくとも現行憲法が我が国政治の座標軸と定めている憲法前文1項で立憲された「普遍の原理である自由民主主義政治」の完成を目指すこと、次に、マッカーサー憲法草案(英文)にあった
第1条「天皇と国民の一体性=UNITY 」を憲法に明記し天皇も主権者であることの2点を示し、国民の心情に寄り添った改憲の方向を明白に述べるべきと思料する。
特に、自由民主主義政治の法的骨格・法秩序を定めた国際人権条約(社会権規約、自由権規約)の前文規定は、我が国の伝統的和の心や教育勅語の精神と相似形を成すので、これを梃にして、国民感情と共に国際理解にも支えられて憲法改正を進めることを提議する。
2、日本学術会議法務委員会の抜本的改組に関する提議
内閣は、自由民主主義政治の完成を目指す国民的議論を妨げる公的機関が内閣の所轄の下にあるので、まずもってこれらの改組、改革について、手を打つべきである。それは、日本学術会議法に基づき内閣総理大臣が所轄する日本学術会議の法学委員会である。学術会議は、行政、産業及び国民生活に「学術」を反映浸透させることを目的として、経費国庫負担の下に内閣総理大臣が任命した会員(特別公務員)によって構成されている。
特に法学委員会員は、法律の理解者で構成されているのであるから、現行憲法前文1項自由民主主義を原理とする政治の下に有る国民の基本的人権を永久に保障する奉仕者であり、同会の国費はこのために使用されるべきことを率先して他の会員に示す立場にある。
また同会員は、国連憲章に次いで高度な国際法規である国際人権条約が昭和54年に締結され、それが憲法第98条の最高法規となり、これを尊重擁護する義務を率先して他の会員に示す立場にある。しかし現実の同会員は、昭和21年当時国民に主権無き時代、即ち「国民の基本的人権無き時代」において、「国民の自由と権利の尊重」という捏造された虚偽の憲法解釈をそのまま黙認・引き継ぎ、何ら為すことないままに、「国民の基本的人権の尊重」という自由民主主義の原理を破壊し全体主義に誘う行為を今日も続けている。
更に同会員は、社会のユニバーサル化、グローバル化と称して、国民を国籍の無い宇宙人や地球人と化す調査・研究発表を通じて、自由民主主義の原理の破壊に拍車をかけている。
これに呼応した文部科学省は、教育基本法第1条の自由民主主義国家の日本国民を育成する教育目的を排除し、教育基本法第3条の国民一人一人の生涯学習を教育目的に改め、生涯学習政策局を設置し、「教育振興基本計画」(閣議決定)を策定し、全国の公立学校で行っている。その中身は、自由民主主義の原理の中心に据えられた基本的人権を構成する家族、共同体、国民、国家という有機的言語を学校の現場から排除し、代わって一人一人、個人、地球人という無機的言語に入れ替えである。換言すると法学委員会を震源地として、文部科学省によって日本国憲法精神や国際人権条約秩序の換骨奪胎教育が公教育として行われているのが現状である。
通産省を中心として巨額な費用が使われ、原発権威者が大勢たむろする原発村があった。東北大震災の原発事故が起るや、原発村の村人は無為徒食の密に群がる蟻に過ぎなかったことが露見した。これと同然に、文部科学省を中心とした日本学術会議法学委員会は、無為徒食の毒蟻に相違ない。内閣総理大臣は憲法改正の国民的議論を開始する前に公務員たる法学委員会の構成を、憲法前文1項の自由民主主義の原理を研究、擁護し推進する意識を持つ公務員に入れ替え、憲法上の義務を果たさせる立法措置を採ることを提議する。以上