<中学校公民教科書「国民の義務書換え措置請求」>(請願その3) | 日本世論の会 本部

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    平成28211

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿

文部科学大臣 馳  浩  殿

横浜の教育を考える会 代表 湯澤甲雄  
横浜市南区大岡3-41-10電話045-713-7222 

                         

 <中学校公民教科書「国民の義務書換え措置請求」>(請願その3

 

1、請願の趣旨

 中学校公民教科書東京書籍版52頁「国民の義務 国民には、社会生活を支えるためになすべき義務があります。特に日本国憲法は、子供に普通教育を受けさせる義務、勤労の義務、納税の義務の3条文をあげています」とあります。また、育鵬社版63頁においても、同様に国民の義務として同じ3条文をあげています。他の教科書においても同様であります。 

 しかしながらこのように、憲法における国民の義務条文を3条文とすることは誤りでありますので、次のように書き換えることを請願します。

<国民の義務 私たちは生まれながらに「自由」です。その「自由」のもたらす恵沢を確保するために、「憲法第14条から40条に至る26条文の自由と権利」が創造されました。これら26条文からなる自由と権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない義務があり、又国民はこれを濫用しない義務があり、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う義務があります。>

 これによって、<国民の義務条文は第12条を含め全部で27条文>と訂正を要します。

 

2、請願の理由

  教科書の記述は、我が国民に主権即ち基本的人権が認められず、「個人の自由と権利」のみが認められていた占領軍政時代の化石化した所謂ガラパゴス憲法解釈に基づくものです。 昭和54年、国連の最高法規(Covenants)である国際人権条約(自由権規約、社会権規約)が締結され、憲法第98条により誠実に遵守する法規となりました。教育行政において、両規約を誠実に遵守することなくて将来国際社会で活躍できる人材を育成する教育ができるはずがありません。ガラパゴス憲法解釈から脱皮する必要があります。

そこで請願の趣旨のみに範囲を限定して、昭和54年以降の憲法解釈は如何にあるべきか、国際人権条約の自由民主主義の原理に沿って請願の理由を述べます。

1)「基本的人権」とは、家族や共同体の人々(Individuals)が歴史的に形成した尊い習俗、伝統、文化、法律、領土、財産、生活、慈愛の心等国の体質即ち国体であり、国民の主権のことであって、国が認定したもの」(憲法10条、11条、13条後段、国際人権条約前文冒頭文参照)にして且つ憲法はこれを永久に保障即ち尊重する対象としている。
2)「自由と権利」とは、個人が生まれながらにしてもつ自由を享受するために、その条件として国が創造した要件(憲法12条、14条から40条、国際人権条約前文中段Conditions Created)及び3章の条文参照)であって、個人(Individual)が不断の努力でこれを保持する義務を憲法に対して負うものとされている。即ち、憲法により尊重される基本的人権ではありません。

3) 「基本的人権」と「自由と権利」との間に、次の規範を設けている。Individualは、共同体のために尽くすべき義務を負う、即ち国家のために忠誠を尽くすこと。

   ○Individualは、常にIndividualsの基本的人権の増進・擁護に努める義務を負うこと。

 

 自由民主主義の原理と定めていない、且つ現行憲法の規定するところでない「個人の自由と権利の尊重」あるいは、「個人の権利の尊重」という全体主義の概念を文部科学省が捏造(公民教科書東京書籍版34頁、育鵬社版62頁参照)して、これを尊重すべき基本的人権とみなした上で、憲法10条から40条を規律した結果が、公民教科書に言う国民の義務条文はたったの3条文であることになるのです。 

 戦後70年にもなる今日、文部科学省は教科書の記述をガラパゴス時代の全体主義の憲法解釈(憲法前文において一切排除するとされており、且つ刑法第2章内乱に関する罪に該当する)から脱却して、憲法規定並びに国際社会の規範に沿った自由民主主義憲法解釈に徹した全面的改訂に向けて取り組むべきです。

以上