平成27年10月26日
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
横浜の教育を考える会 代表 湯澤 甲雄
横浜市南区大岡3-41-10電話045-713-7222
「国際秩序に挑戦する安倍教育行政を正そう」
安倍総理の「戦後70年談話」の末尾に、「私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み付けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値をゆるぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります」とあります。私自身もこれに大いに共鳴いたします。
ところが、第1次安倍内閣の時新設され、第2次安倍内閣において平成25年6月14日閣議決定され、特に近時、県知事主導の下に全国的に行われている教育基本法第17条に基づく教育振興基本計画(以下「同計画」という)による教育行政は、一言で言えば「国家・国民を不在にした個人の育成に関する人権教育の強化」であります。かような教育行政は、自由、民主主義、基本的人権といった基本的価値を有する自由民主主義国家・国民の存在を前提とする国際秩序とは相容れない価値の教育であり、「戦後70年談話」の「積極的平和主義」に反するものです。可及的速やかにこの教育行政を廃止すべきです。
同計画の内容に立ち入ると、同計画は「自由民主主義国家の国民を育成することを教育目的」とする教育基本法第1章(教育の目的理念)を蒸発させて、これを教育基本法第3条(生涯学習の理念)の「国民一人一人の学習」に入れ替えることによって「自由民主主義国家の国民ではない国民個人を育成することを教育目的」とする日本国民改造教育です。同計画は、県知事を通じて強制的に「脱国民・国家を教育する」法制度が設けられており、国民や国家の存在を大前提とする国際秩序に挑戦する有害無用教育であることは明らかです。
同計画の弊害は、先般の安保法制の国会審議中に現れていました。それは内閣が安保法制の必要性をいくらと説いても、それによって守られる国民・国家についての意識が脱落しているシールズ等多くの人がおり、個人が被害を受ける戦争法案であると唱えて反対のデモをが行っていたのです。
同計画はこの他に、30の基本施策項目を設けて教師に膨大な事務を新たに付加し、教師の繁忙度を世界一に押し上げている極め付きのものです。
下記に「戦後70年談話」を反映させた教育行政のあるべき姿を述べますので、安倍内閣の政策目標として是非前向きにご検討の上お採りあげ方お願い申し上げます。
記
(1)日本国憲法前文1項に国是と定める自由民主主義を原理とする政治体制の完成を目指した法律体系の整備を、戦後レジームから脱却する安倍内閣の政策目標とすること。
(2)政治的中立性について明文を以て示すために憲法前文を準拠法規として、社会権規約、自由権規約を参酌し「自由民主主義の原理に関する法律」(仮称)を制定すること。
(3)憲法第11条の下に「基本的人権認定法」(仮称)を制定するとともに、同条文を「安全保障関係法律一切」の準拠法規とすること。
(3)教育基本法前文「個人の尊厳を重んじ」を「習俗と人間愛の尊厳を重んじ」に変更。
(4)教育基本法第1条「国民の育成を期して行われなければならない」を「自由民主主義を原理とする国家の国民の育成を期して行われなければならない」と変更。
(5)教育基本法第2条2項「個人の価値を尊重して」を「基本的人権を尊重して」に変更。
(6)教育基本法第2条5項「他国を尊重し」を削除する。
(7)教育基本法第3条末尾の「社会の実現が図られなければならない」を「自由民主主義社会の実現が図られなければならない」に変更。
(8)教育基本法第9条「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命」を「法律に定める学校の教員は、自由民主主義国家の教育公務員としての自己の崇高な使命」に変更。
(9)教育基本第14条1項を次のごとく変更する。「自由民主主義国家の良識ある公民として育成するために必要な「自由民主主義の原理に関する法律」の教育を行うこと。
(10)教育基本法第15条2項末尾に次の条文を書き加える。「但し、基本的人権に属する習俗宗教はこの限りでない。」
(11)教育基本法第16条「-この法律および他の法律の定めるところにより」を「-この法律およびこの法律に準拠して定められた法律の定めるところにより」と変更する。
(12)教育基本法第17条―全文削除、
同時に全国各自治体において「教育振興基本計画」を参酌して作られている例えば、「かながわ教育ビジョン」等を全廃させること。以上
平成27年10月26日
内閣官房、内閣法制局、国家公安委員会・警察庁、法務省、外務省、文部科学省、
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