会見する世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長=20日、東京都千代田区(荻窪佳撮影)
中国から逃れた亡命ウイグル人の組織を束ねる「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長(米国在住)は20日、都内の参院議員会館で会見し「習近平政権の下でウイグル人への弾圧が一段と激しくなっている」と訴えた。また国連に対し、「歴史的な問題は追及するのに、なぜ現在進行形の人権侵害は追及しないのか」と疑問を呈した。
カーディル氏は、中国当局が新疆ウイグル自治区で一般の宗教活動も非合法化するなど、取り締まりを強化していると指摘。
ウイグル人の抗議活動に対しては、治安当局が無人機などによる攻撃で殺害
していると非難した。また
未婚女性を強制的に自治区外に移住させ、「民族浄化」
を行っているとも主張した。
カーディル氏は、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国(IS)」と自治区内の一部勢力との関係を中国当局が示唆していることに関して「弾圧を正当化するためにIS問題を利用している」と強調。
一方、8月にタイの首都バンコクで発生した爆弾テロ事件でウイグル人とみられる男が逮捕されたことについては「真相がわからないが、もしウイグル人の犯行なら激しく非難する」と語った。
http://www.sankei.com/world/news/151020/wor1510200035-n1.html
カーディル議長の東京会見は「妄言」 中国外務省 「中国の民族政策は世界で称賛されている」
中国外務省の華春瑩報道官は20日の記者会見で、「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長が中国当局によるウイグル族弾圧を非難したことについて「ほんの一部の人の妄言だ」と反論した。
華氏は「中国にいるあなた方は中国の(少数)民族政策は世界で称賛されてしかるべきだと分かるはずだ」と主張した。
中国当局は、ウイグル族の絡む事件で外国メディアの取材を厳しく規制しており、弾圧の実態は闇に包まれている。(共同)