●高齢者の自殺が増加
経済の悪化に伴い、国民が未来に絶望し始めていると危惧する声も高まっている。
韓国ではここ数年、高齢者の貧困が深刻化している。古来、長男が家と親の資産を継ぎ、親の面倒をみる風習があったが、現代では核家族化が進み、親の面倒をみる子供は激減。特に資産の少ない親は見捨てられる傾向にある。
11年の経済協力開発機構(OECD)の調査では、
韓国の高齢者貧困率は48.6%で、高齢者の平均所得は91カ国中90位となっている。つまり、高齢者のほぼ半数は貧困にあえいでいるのだ。政府の調査では、
約175万人の高齢者が空き缶や古紙を回収して生計を立てているという。
現在、古紙1キロは150ウォン(約15円)で買い取ってもらえるという。若者の働き口がない現状では、高齢者が収入を得る手立てはほとんどなく、未来に希望を持てずに自殺する人も増えているという。
もともと
韓国の自殺率は世界最悪だ。特に高齢者の自殺率は極めて高く、11年のOECD調査によると65~74歳は10万人当たり81.8人 (日本は17.9人)、75歳以上は10万人当たり160.4人(ちなみに日本は14.6人)となっている。そのようななか、経済不安の高まりを受けて、さらに自殺者が増える傾向が表れており、早急な対策が求められている。
経済状況はまったなしの緊急事態、国民の不満は高まる一方、将来に悲観して自殺する国民が続出……韓国の崩壊は眼前に迫っているのかもしれない。