寺社に油を撒いたとされる男への逮捕状が請求されている事件で、男が元在日韓国人で帰化した人物であったことがわかり、大きな話題になるとともにデマも拡散し問題になっています。
逮捕状を請求されている男に韓国系とのつながりがあるのではないかという噂は、6月1日未明に新聞が報じるとすぐにネットで広まっていました。きっかけは6月1日未明に逮捕状の件を報じた朝日新聞にこう書かれていたことです。
関係者によると、この男性幹部は東京都出身で2013年に教団を設立。
この情報を元に、宗教団体のリストから2013年に設立された3つの団体及びその代表者名が抽出され、そこに含まれていた韓国系とみられる代表者の名前が注目されていました。
しかし、その後のテレビニュースによる報道で、顔はぼかされてはいたものの逮捕状を請求された男の写真が流れたことから、別人である韓国系の名前ではない容疑者の名前が確定します。
ところが、容疑者が韓国とつながりがあるのではないかとの噂は消えず、リストアップで注目された人物の名前が「本名」で日本名が「通名」だとするデマが生まれ拡散。Twitterで数多く流れるとともにその後も修正されずに残っているものも少なからずあるようです。
その結果、無関係である名前を出された人物は自身の団体Webサイトにこんな掲示をしてデマの拡散防止を呼びかけており、改めてデマへの批判が起きています。
現在、当教会に関して事実と異なる情報が拡散されているようですが、当教会は寺社に油が撒かれた事件およびその容疑者とは一切関わりがありません。報道されている教団と当教会は全く異なる団体です。事実と異なる情報の拡散はお控えいただけますようお願い致します。
一方、日本人名が特定された医師である逮捕状の男と韓国とのつながりに関して疑いは消えず、官報で帰化の記録までが調べ上げられていました。
日本人名と同姓同名の帰化記録を見つけたネット民は、海外の不動産関連サイトに掲載されていた男の生年月日と照合、
本人である可能性が高いとしていましたが、6月2日の夜にJCASTニュースがこう伝えています。
男は、もともと在日韓国人だったが、1979年に日本に帰化した。これは、この年の官報に記載されていた。
不十分な情報のまま嫌韓だけが先走ってデマを流したネット民が無関係の人物にコメントを出させるまでに至るまでの影響力を持っていることと、官報まで調べ上げて帰化人であることを突き止め拡散するネットにおける嫌韓意識の強さが今回の特筆すべき点だったと言えそうです。