インタビューに答える姜尚中さん=東京都内のホテル
―日本と東アジアを覆う歴史・領土問題のきしみは何に起因するのでしょう。
「今に続くアジアの相克は、実は終戦の時点にすでにはらまれていたと思う。戦後まもなく中国は内戦状態、
朝鮮戦争も始まり、日本の植民地から解放された朝鮮は、アジアの戦後秩序をつくる当事者から除外されて
しまう。米国は日本を経済的なアジアの橋頭 堡 (ほ) としてよみがえらせていく。朝鮮半島に対する日本の
植民地支配が何をもたらしたか、コンセンサスは形成されなかった。アジアの忘却は、日本の終戦のあり方
に関わっていた」