「本当に守るべきものは何か | 日本世論の会 本部

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平成27年3月9日
村田 春樹 様
                                       湯澤 甲雄 拝
昨日はご高見を拝聴させていただき真に有難うございました。
現行憲法は、至高の条文である第11条の「基本的人権」の具体的内容を定めていないことに最大の問題があるのであって、そのために全国民が「本当に守るべきものは何か」が解らない状態に置かれています。
これがGHQと日本の左翼が結託して憲法に仕掛けた亡国のための最大の罠でありそこに憲法解釈で左翼思想を注入したのです。日弁連が左翼の理由も、弁護士法第1条1項をみれば一発で理解できます。
「本当に守るべきものは何か」について、それは「いったい何か」「どうやれば守れるのか」を前から考えてきましたが、前段は本日のご講演を拝聴し私の考えていることと同じであることを確認でき、おかげさまで自信ができました。後段は、前段にあるものが後述する基本的人権に相当するものであるから、自由民主主義の政治原理に基づく政治体制の中では絶対に構築できる筈だし、構築しなければならないのです。即ち、自由民主主義原理を述べている自由権規約と社会権規約(以下「国際人権条約」という)に則って我が国の憲法は作られており、一般法の制定によりこの最大の問題は解決します。
「本当に守るべきもの」は「天皇を軸とした文化共同体=国体」とのことですが、これと同等な位置にあるものとして、国際人権条約には「認定(Recognition)された家族とその共同体の人々が歴史的に培ってきた習俗、法律、条約等の固有の尊厳と人間愛」があります。習俗(Custom)には、多神教の習俗=Public religion、先祖崇拝、天皇制、伝統文化、道徳、領土領海等が入ります。こういうものが世界の自由、正義、平和の基本であるとしているのでこれを「国民の基本的人権=Fundamental human rights」と称しています。
国連用語を解説しますと、国民の基本的人権の権利を表現する時は「認定された権利=Recognized right 」、国民の基本的人権を有する人々を表現する時は「人々=Individuals」が使われています。この「国民の基本的人権」について、国際人権条約では「国が尊重し国民に保障する」、憲法では「憲法が永久に国民に保障する」とあり、何れも奉仕者たる公務員が命がけで守ることを意としています。従って、国民の基本的人権の安全保障について、憲法第11条の下に防衛省以下全ての各省庁、公務員をそのような任務の下に置く「安全保障法」一般法を制定する必要があります。
それ以前に、同じく憲法第11条の下に「基本的人権認定法」(仮称)を制定して、「本当に守るべきものを認定する」一般法の制定が必要です。これは全国の自治体を動員した大掛かりなものになるので、「地方再生」と絡むことにもなることでしょう。

「国際人権条約」は自由民主主義の原理を述べたものですが、所謂「人権」を三層構造にしています。
○第1層=家族と共同体の人々の習俗、法律、人間愛の基本的人権。これが国民の主権であり誇りに相当するものにて、国はこれを永久に尊重するとしています。締約国は他国のこれを侵してはならないとしています。「他国を尊重する」なんてことはどこにもありません。しかし我が国の法律には、基本的人権の定義がありません。このために左翼は、基本的人権は第2層と第3層のことだとしています。産経の「国民の憲法」は左翼に汚染されたものになっています。
○第2層=生まれながらにして持つ千差万別の個人の自由と権利。国はこれを保障するとしています。
○第3層=第2層の人権を確実ならしめるため国連が創造した世界共通の個人の自由と権利であり、締約国は遵守義務を負う。これは国際人権条約第3部にある自由と権利であり、憲法では第14条から40条に至る条文。第2層と第3層を国が尊重したら、国が国民の権利を支配する全体主義国家になります。憲法第13条冒頭文がこれに相当します。自民党の「憲法改正草案」はこれを採り入れています。
 なお、第2層、第3層の個人の自由及び権利を有する人を表現する時は「個人=Individual」と称してます。
国際人権条約前文末尾において、極めて重要な次の法秩序を定めています。
(1)    Individualは常にIndividualsのために尽くすべき義務を負う。(個人は、常に家族や共同体の人々に尽くすべき義務を負う。=この義務を尽くさない個人は存在しない。=兵役拒否等の排除)
(2)    Individualは常に基本的人権の増進及び擁護のために努力する責任を負う。(個人は、憲法第11条の下に制定された基本的人権認定法に定める国民の基本的人権を永久に保障する義務を負う。=個人は国防義務を負う)

結論 現行憲法は、種々の問題を含みながらも、自由民主主義政治を土台とした条文があります。憲法解釈が著しく左傾化した現状から一日も早く脱却させるために、現行憲法の土台を活用して自由民主主義
政治体制を完成させる努力が肝要と思料します。そのためには、上記のような段取りでことを進めると同時に、上記(1)(2)の違反行為に刑事罰の法律を設け、永久に保障された「基本的人権」を守るべきです。これには憲法前文規定を踏襲し「反自由民主主義政治排除法」を制定し、重罰を定めて国家社会の安定発展を促すべきであります。
以下に3月8日自民党大会に内閣官房長官菅好偉殿宛に寄せた愚見を付記します。但し「注」書きは、字数制限のため後から書き加えたものです。
<「自民党大会で自由民主主義政治体制の完成を訴えよ」
1、(注、全ての政治家は)憲法前文にある自由民主主義を原理とする政治の完成をめざし、それに反する法令等一切排除する政治体制を構築する責務がある。
2、全党員は、自由民主主義の政治原理を自由権規約、社会権規約により英語の原文で学び、理解を国際社会と共通にする必要がある。
3、自由民主主義の中核を成すものは、(注、日本の場合)元首である天皇を中心とした家族や共同体の人々の生活によって培われた固有の尊厳と慈愛の心を表す国民の基本的人権と称されるものである。主たる個別具体的内容は、国民の習俗、(注、多神教の習俗、先祖崇拝、天皇制、伝統文化、道徳、領土領海、生命財産)や法律と慈愛の心であって、国により永久に尊重され保障される。それは世界の自由、正義、平和の基本となるものであるから基本的人権と称される。
4、憲法第11条の下に「基本的人権認定法」(仮称)を制定し、全国家組織を挙げて認定する機関を設置する必要があります。かような国が国民の基本的人権を守る行為を防衛または安全保障といいます。
5、国民個人は生まれながらに千差万別の自由と権利を有し、それを確実にするために国連が創設した条件としての万国共通の自由と権利を定め、国民の不断の努力でこれを保持すると定めています。(注、基本的人権との混同は絶対不可)
6、自由と権利を有する個人は常に基本的人権を有する人々に尽くし、且つ基本的人権を増進擁護する義務を負う法秩序が定められています。(注、これは愛国心振興の規定と見ています)従って自由と権利は、それ単独では有効とはされない。
7、以上が世界の規範であり、我が国もこれに従う義務がある。>以上