警察庁長官 金高雅仁 殿
湯澤 甲雄 横浜市南区大岡3-41-10電話045-713-7222
yuzawa.motoo@rainbow.plala.or.jp
添付東京都渋谷区長への手紙をご参照願います。なお、<渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例(案)>は、長文につき添付を控えさせていただきました。要すればご連絡願います。
ご高承の通り現在安倍内閣は、自由、民主主義、法治主義の国家を建設すべく努力を重ねています。
その一方において、渋谷区条例(案)は、自由と権利を尊重して憲法第12条の規定に違反することや、両性の合意に基づかない同姓の合意の結婚を認める憲法第24条に違反することを目的にしたものでありまして、法治主義や伝統的な安定した家族を崩壊させる方向に向かって動いています。そして向かっている方向は、行政官僚の支配する官僚国家(ファシズム)や共産主義であります。
これは憲法の定める統治の基本秩序に反する公安問題であると思料します。いまこのような公安問題は全国に蔓延しておりまして、憲法規定に反する「自治基本条例」を制定した
地方自治体もかなりあります。憲法の法体系が地方から瓦解する状態にあるものと危惧しています。
これらの公安問題に共通する原因は、憲法第11条「基本的人権」の定義が自由権規約、社会権規約に
則して法律として定めていないこと並びに、両規約末尾に定める法秩序を法律として定めていないことにあると思います。これらの法律が定まらなければ、公安上の取締りも罰則適用も不能であり、自由民主主義政治体制は遠くない将来に終焉するでしょう。
私はこれらの法律は、根拠法規は憲法に既に定められているのであるから一般法で制定可能であり、施行法、細則等は後回しにしても根幹となる法律は早く制定すべきと思料します。私は政治も法律も素人ですが、是非愚考をご検討いただきまして、公安の専門家のお立場から国民の声を安倍総理にお届けいただけますよう、お願い申し上げる次第です。
記
平成27年3月15日
東京都渋谷区長 桑原 敏武 殿 F03-5458-4900
湯澤 甲雄 横浜市南区大岡3-41-10電話045-713-7222
区長への手紙<渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例(案)について>
掲題条例(案)には、「尊重」という文字が41文字散りばめられています。その尊重の対象とされているのは「男女平等と多様性」であって、尊重する義務者は公共団体である区並びに区民となっています。
我が国の政治は、憲法を遵守して行うことになっています。その憲法は国連憲章の自由民主主義の原理を引継いで作られておりまして、憲法前文に「自由民主主義の政治原理を普遍の原理として、これに反する一切の法令等を排除する」と規定しています。そこで(案)について、自由民主主義の原理が規定されている憲法と、我が国が遵守することを国際公約している・自由民主主義の原理を規定した自由権規約、社会権規約(以下「国際人権条約」という)に当てはめてみる必要があります。当てはめてみて、憲法にも国際人権条約にも当てはまらなければ、(案)は一切排除しなければならないものとなります。
日本国憲法では、憲法が尊重即ち永久に保障する対象としているのは憲法第11条の基本的人権のみであって、「男女平等及び多様性を含む自由と権利」は第12条により個人が不断の努力で保持することを保障する対象でありまして、尊重の対象とするものでは無いとされています。
国際人権条約あるいは国際社会の理解では尊重の対象はただ一つ「基本的人権」のみであって、「男女平等及び多様性を含む自由と権利」は国が尊重する対象ではなく、国が保障する対象としています。
結論を先に申せば、本案の<「男女平等と多様性」という千差万別の「個人の自由と権利」に属するもの>は、憲法も国際条約もこれを尊重する対象とはしていません。よって本(案)に散りばめた「尊重」という文字は、全て不適切となり抹消されるべきであります。従って、本(案)は、明らかに憲法違反であり、国際条約違反となりますので、一切排除しなければならない責務があります。
更に、渋谷区議会が憲法の規定を超越して本(案)を排除しない場合は、憲法に定める統治の基本秩序を壊乱する行為者として、刑法上の罪も免れかねません。
以下に上記理由、背景に関し、自由民主主義の原理の構造について、国際人権条約の規定を採り入れながら、憲法条文の説明をいたします。
○人或いは男女の人(私人=個人)は生まれながらにして千差万別の「自由と権利」有しています。そこには争い事が絶えない世界があります。国は、中立公正な司法制度を設けることによって「自由と権利」を保障することにしています。尊重することはしません。
○上記の「自由と権利」を確かに享受できるように、国連当局は条件として国際人権条約3部に人工的な「自由と権利」を創設し、全締約国は遵守を公約しました。世界共通の私人の「自由と権利」所謂人権の尺度が作られました。
我が国では、(法の下の姓の平等)や(表現の自由)等も含まれる憲法第14条から40条に至る「自由と権利」条文を定め、国が保障する対象としました。しかし尊重(=永久に保障)する対象ではありません。なぜならば、「自由と権利を」国が尊重したら、私人の「自由と権利」を国が支配するところにな
り、「自由と権利」が滅びて自由民主主義が消滅し、やがて行政官僚が支配する全体主義(ファシズム)や共産主義の国家となるからです。そのような国家にならないように憲法第12条は「(私人が)不断の努力で自由と権利を保持する」とし、国が尊重することを禁止しています。
○男女同等の権利は、憲法第14条(法の下の平等)や人権条約第3条(男女同等の権利)に規定している如く、「政治的、経済的又は社会的関係」において定められた「自由と権利」でありますので、保障の対象ではありますが、基本的人権ではないので尊重の対象とはされません。
○男女共同参画社会基本法第2条(定義)1項「男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができーー社会を形成する」とは、「男女均等に私人の権利と自由を享受することができるーー社会を形成」することでありますので、男女均等は憲法第12条に属するものにして尊重の対象ではありません。同様に本(案)の第2条(定義)並びに第3条(男女人権の尊重)に規定された内容については、憲法第12条に属するものであるので尊重の対象とすることは憲法違反となります。
○男女同等の権利が含まれている「自由と権利」は、憲法第12条末尾の規定により「常に公共の福祉のために使用されなければならない」とされています。公共の福祉のために使用されない男女同等の権利は、法的効力が無いものと規定しています。公共の福祉とは、常識的には、公共機関が基本的人権を永久に保障する行う福祉行政のことです。
○憲法第13条「個人の尊重、幸福追求権、公共の福祉」の冒頭において、「すべて国民は、個人として尊重される」とあります。この場合、憲法第12条において「(私人=個人)の自由と権利を国が尊重することが既に禁止されている」のであるから、個人として尊重されるものは、憲法第11条の基本的人権に属する生命と習俗としての幸福追求権だけとなります。
更に踏み込んで説明を加えるならば、この冒頭文はマッカーサー憲法草案第12条にある< all
japanese by virtue of their humanity shall be respected as individuals.「人道を帯した全ての日本人は、基本的人権を有する家族や共同体の人々(=individuals=国連用語) として尊重される)」>を曲訳したものです。共産主義に汚染された米ルーズベルト政権の手先であるケイデイス民政局長が、公職追放権をちらつかせながら今夜の食糧にも困る日本側憲法起草委員を屈服させながら全体主義革命に傾斜する条文に曲訳させた「虚」の条文です。この「虚」の曲訳文をフルに活用を企んでいるのが本(案)です。
憲法起草時において、日米の左翼が結託した条文の最たるものは、憲法第11条の基本的人権という国体や国民の主権の内容について憲法規定に記載せずブランクにしたことであって、そのブランクを目がけて左翼が「個人の権利尊重」という憲法解釈をねじ込んで全体主義国家に誘導する企みが過
去70年間続けられてきています。しかし我が国は、国際人権条約に規定された基本的人権の定義を準用することと、国民が戦前から培ってきた保守の良識によって憲法の正しい解釈、運用を支えてきているのであります。左翼勢力が護憲を唱える一方、憂国者が改憲を唱える対立がここにあり、天下
分け目の戦いは「基本的人権」の争奪にあります。
○憲法第11条の基本的人権は、本(案)の問題ではないので、ご参考までに簡単に付記します。
我が国が遵守することを公約している国際人権条約によれば、国民の家族とその共同体の人々が営々と培った習俗、伝統文化、法律、道徳、人間愛等の国体あるいは国民の主権内容を基本的人権と称します。国がこれを永久に保障する即ち尊重するばかりでなく、個人の自由と権利を有する人も常に基本的人権を増進擁護する義務を負うと規定し、その義務を果たしていない個人の自由と権利(男女平等の権利を含む)は無効とする法秩序を定めています。また、憲法第12条末尾においても、国民の基本的人権を尊重する公共機関の福祉行政即ち、公共の福祉のために「自由と権利」は常に使用されなければならないと規定しており、そのように使用されていなければその「自由と権利」は無効としています。「自由と権利」は単独では有効とされません。「自由と権利」は憲法の義務条文なのです。
このような法秩序が、グローバル世界の規範(Standard)であり、日本国の規範です。以上