太陽の沈まぬ帝国と中華帝国

 

「我思う。故に我あり」とは

有名なフランスの哲学者デカルトのことば。
 

現在も欧米の考え方の根底は、

このことばのように「個」にあります。

これに対して「私やあなたなんて幻想だ」というのが
デカルトの2千年前に到達した仏陀、お釈迦様の考え方。

個が集まって社会ができているのではなく、
社会の中での関係の中で生きているのが日本人、
という考え方は無意識に日本人の中にはあります。

日本はいまだに個人主義が浸透していない
と欧米人で批判する人も多いといいます。

しかし、戦後その「個人主義」を進めてきた結果
家族で最も多いのが一人世帯。
 

家族関係、親孝行だとか、家族愛などというのは

毎日のニュースでは、見る影もありません。

地域は、崩壊状態に近く町内会も成立しにくい、
解散した地域さえもあるといいます。

日本の国力の低下は、数値にはっきり出ています。
我が国には、資源も平地もなく、
しかし、

人の力で今現在の状態を維持しているわけです。

はっきりいえば、人の徳の力です。

欧米思想の根底はどうしても二元論の対立が消えません。
日本は、包含と調和であることは、歴史が証明しています。

世界を救うのはどちらでしょうか。

もはや、対立ではこの地球がもたないでしょう。

たぶん、日本人なら皆気づいているはずです。
 

 

 
 

「太陽の沈まぬ帝国」イギリス

対等な貿易を拒否する大帝国「清」

  「太陽の沈まぬ帝国」イギリス


イギリスは、
最初スペイン無敵艦隊を撃破、

続いてオランダを、17世紀・18世紀
の英蘭戦争で海上覇権を奪取、、

さらにフランスとのアメリカやインドでの戦争を制し、
世界覇権争いに勝利します。

「太陽の沈まぬ帝国」を築いていきます。

本国と西インド諸島、
アフリカ大陸を結ぶ三角貿易は巨大な利益をもたらします。
三角貿易
 

その間、国内では国王の政治を倒し、
「王は君臨すれども統治せず」という
立憲君主制の制度も整っていきました。

いわば、国王は伝統的に国家の象徴的存在して君臨するが、
実際に政治を行うのは、国民であり
その総意が憲法(立憲)であるという考え方です。

アメリカのように独立した段階で国王は存在しない国家や、
フランスのように王政を廃止して完全な共和制である
典型的な国民国家となった国と同様、
「国民国家」であることには変わりありません。
 
こうした主権者となった国民の多くは、
有産家で、地主だったり、
商工業で資産があったりした選挙権を

もった人たちです。
いわば、経営者・社長さんたちです。

つまりこの時代、

税を支払うことで国家のために貢献している。
 

だから、政治に参加する権利がある、ということになります。

そうでない人たちは、労働者や小作人が多く、
産業革命以降、貧富の差が拡大していきました。
今の世の中に酷似しています。
 

  対等な貿易を拒否する大帝国「清」

 

その有産階級の市民たちは、
より生活の豊かさを求め出します。

いわばかつて国王が私的に贅沢をしていたことを、
今度は多数の人たちが望んだということです。

それはすでに、エリザベス1世下において、
東インド会社に見られますが、
力をためた有産階級は市民革命を経て、
経済的な蓄積を科学技術に投資して産業革命を起こし、
海外貿易で得た利益を産業資本として蓄積、
さらなる植民地経営を行いました。

スペインとポルトガルが、
収奪した富を国内で一気に使い果たしてしまった
のとは大きな違いです。
 
18世紀初頭、イギリスの有産階級には、
そのステイタスシンボルとして
フロックコートや懐中時計が流行し出します。

それに加えて、贅沢品の砂糖と茶飲の習慣が流行し出します。
中でも清の茶は、イギリス人を魅了したといいます。

イギリスは広東で茶を買いつけ、本国に送りました。
イギリスは、茶の輸入ととともに、
陶磁器や絹にも魅了されます。
紅茶
その後、清から大量の品がイギリスに入っていきます。
その90%は茶であったといいます。

イギリスからは桁外れの大量の銀が出ていきました。
しかし、清は、

イギリスからの品に何一つ興味を示さなかったといいます。

とにかく、イギリスは狂ったように清の品物を欲しがり、
それは銀で支払うしかなかったということです。

貿易は、天文学的貿易赤字となり、

イギリスの政治家は、その対応を迫られます。
イギリスはマッカートニー大使を清の乾隆帝に派遣、
通商実現のため、

清宮廷の流儀に従い公邸の前で三度跪き、
九回額を床につけてから願うことを要求されます。

これについては、従ったという説と

拒否したので、
妥協の上イギリス流の片膝をついた形で行われた
という説があります。

その答えは極めて尊大な上から目線の言葉でした。
 

「世界の遠く片隅で統治する英国王よ。我が帝国で汝らから必要とするものは何もない。だが、(かわいそうだから)今までどおり、売ることを許可する」

しかし、対等な取引を要求したイギリスに対して
清皇帝は、「対等な取引」は何ごとだとはねつけています。
 

「中華」はあくまで世界の中心であり、それ以外は蛮族だ
という中華思想がここにも見ることができます。
 

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

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