今も昔も財政再建

 

8代将軍吉宗(在位1716~1745)が将軍になった際、
徳川家康の政治を理想としたといわれています。

顔も性格もそっくりだったと。

しかし、
参考にしたのは、綱吉の「天和の治」でした。
新井白石は、吉宗が将軍になり、すぐ失脚しています。
 

ちなみにこの頃、アメリカ移住はあっても

アメリカはまだありません。

 

イギリスは着実に「立憲君主制」が根づいていました。

フランスは、「フランス革命」爆発寸前です。

 

オランダ、清(現チャイナ中国)とは、

正式な国交はなく貿易のみでした。

 

徳川吉宗が理想とした政治とは

徳川吉宗の経済政策は緊縮財政

 

  徳川吉宗が理想とした政治とは

 

8代将軍吉宗(在位1716~1745)が将軍になった際、
家康の政治を理想としたといわれています。

顔も性格もそっくりだったと。

 

しかし、
参考にしたのは、徳川綱吉の「天和の治」でした。
新井白石は、吉宗が将軍になり、すぐ失脚しています。

この頃には、
生類憐れみの令の中での病人の保護や捨て子の禁止の奨励により、
道ばたに死体を放置するような光景は
しだいになくなっていきました。

征夷大将軍は、武士のための政治をやっていたわけではありません。
自分たちが農民や町民なくして生活することができないことは
よくわかっていたはずです。

たかだか1%にも満たない武士は
藩という国を統治するエリート集団でした。

エリートというのは
日本でいうと、特権階級という理解をする方が多い

むしろ、スペインの哲学者オルテガのいう「エリート」
の哲学に近い、というよりほぼ同じであったと考えています。

そのエリートというのは ↓

 

それは、ノブリス・オブリージュ(貴族・義務を負う)フランス語
に近く、財、権力、社会的地位が与えられている貴族は
自己を犠牲にしてでも社会的義務を果たすべき
ともいえます。

武士には誇りがあり、民百姓を守る義務がありました。
徳川吉宗は、目安箱を設けて、
直接自ら箱を開けて読んだといいます。

町医者の投書により、
黒澤明監督映画「あかひげ」でも有名になった
小石川療養所を設置しました。

吉宗の鷹狩りで農民が迷惑しているという投書には、
自ら褒美を取らせたといいます。

投書には住所・氏名が必要でした。
ですから、いわば公然と将軍様を批判した庶民を
表彰したということなのでしょう。

暴れん坊将軍と人気である一つのエピソード
かもしれません。

火事の多かった江戸に
火消しの組織をつくったのも吉宗です。
 

  徳川吉宗の経済政策は緊縮財政

 

徳川吉宗の本命は、財政再建です。
徳川吉宗の本命も、というべきかも知れません。

その骨格は
米の増収と倹約です。

まず大名に目をつけ、「上米の制」により
1万石につき100石の米を徴収しました。

100万石大名では1万石となります。
その代わり、参勤交代の江戸1年滞在期間を半年にしました。

また、これまでの作柄で年貢率を決めていた検見法を
一定の割合とする定免法に変え、大幅な増収となりました。
ではこれで、幕府の財政は潤ったかというと
そういうわけではありません。

想像はつくかもしれませんが、
江戸時代の中期を超えると貨幣経済が浸透し出します。

簡単にいうと、米は給料でも米でものを買うことはできません。
大坂の蔵屋敷に米を運び、そこで換金していたわけです。

後日詳しく述べますが、
その換金をしていたのが札差です。

大坂の蔵屋敷に米を運んで換金したようですが
江戸の蔵前でもそれはできたようです。

米の値段は 諸説ありますが1石(150㎏)だいたい
江戸前期で10万円
江戸中期で5万円
江戸幕末で3~4千円
と1両が交換できたそうですから、
米価の暴落ということになります。

「武士は食わねど高楊枝」

これがいつ頃できた言葉かはわかりませんが、

 

武士としての誇り、美意識ですね。

美意識なんてもはや死語ですが、

 

ぶざま

あさましい 

 

など武士はそうした姿は

見せてはならなかった、

上から目線はあったでしょうが、

それがエリートしての誇りです。

 

ただ、朱子学の影響もありますが、

経済に関しては、柔軟性が

ありませんでした。

 

それは今の私たち日本人にも

影響しているかも知れません。

 

お金は貯めて、節約して

質素に暮らす。

 

「貧乏人は麦を食え」

といったのは池田勇人蔵相。

 

米価高騰で緊縮財政を

必要としていたときのことです。

 

ホントは、所得に応じて食べるものも変わる

といった意味らしいですが。

 

そのこと自体は、決して悪いことではありませんが、

アメリカ人のように消費することで

経済が回っているという場合もあります。

 

暴れん坊将軍も、こと経済(米)に関しては

必ずしも評判がよかったわけではないようです。

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