ヨーロッパ中世とは神の時代

歴史と宗教は切っても切れない縁にあると思っています。

宗教が理解できないと世界史も日本史も

ただの年表の暗記レベルで、

 

おもしろくない、苦痛で終わってしまいがちです。

でも、多くの人は大人になると俄然歴史に興味をもつひとが

多くなるようです。

 

このヨーロッパ中世とお隣に位置したイスラム帝国は

キリスト教徒イスラム教の世界でもあります。

 

実は神様は、ユダヤ教も含めて同じ神様です。

呼び方は異なりますが。

 

聖地も共通でエルサレム。

経典の民ともいわれ、

「旧約聖書」…ユダヤ教

「新約聖書」…キリスト教

「クルアー-ン(コーラン)」…イスラム教

 

といってそれぞれ、神様の教えを大切にします。

ちなみに、「新約聖書」はイエスが残したことばだといってよいと

思います。

 

キリスト教のこの頃の正統派は、神とキリストと精霊は

同じ神だということになっています。

 

 

神の言葉は教会の聖職者のことば

学校でクルアーンを学ぶイスラム教徒

 

  神の言葉は教会の聖職者のことば

 

中世ヨーロッパでは、
古代ローマ帝国以来のラテン語が学問の主流でした。
 

「知識は全て聖書にある」というものの、
文字は全てラテン語でした。

当時の識字率は、わかりませんが、
そう高くはなかったはずです。
さらに

ラテン語は,ローマ帝国で使われていた言語で
ゲルマン人やスラグ部民族などが主流となった
当時のヨーロッパの生活言語では
ありません。

とても一般の人は聖書も読むことができませんでした。
ちなみに、現在ラテン語を公用語としているのは
バチカン市国、
学術用語もラテン語は使用されているとのことです。

1450年、グーテンベルグの活版印刷術が出て、
ルターのドイツ語訳の聖書や出版物が出るまで、
それに関わる知識、文字は、
ローマ教会の聖職者たちが
独占していたといってもよいと思います。

本当は、それだけではなく、
ものの見方や考え方まで支配していたというのが事実でした。

なんのことはない、
キリスト教のことは聖職者の独占事項であり、
聖職者が白といえば、クロもシロになったということでしょう。

ですから、そのキリスト教に反する考え方は、
「魔女」として裁判にかけられ厳しく罰せられました。

実際には、魔女と疑われれば、池の中に沈められ、
沈めば人間であり、
浮かび上がれば魔女として火あぶりの刑になったということですが、

早い話が、魔女と疑われたら運命は決まってしまうわけです。
魔女というが,疑われるのは女子だけではないようです。

こうした中で豊かなものの見方や考え方、
芸術が栄えることは困難だったことは、
次のルネサンスの項で示した中世の絵画を見てもわかると思います。

ギリシャ時代に培われた科学や技術も廃れ、街は不潔になり、
ペストの温床ともなりました。

東ローマ帝国では6世紀にペストの猛威にさらされ、
さらに13世紀以降再びペストで
ヨーロッパ人口の1/3が亡くなったこ
原因にもなっていました。
 
この時代のヨーロッパでは、
少なくとも、「アラビアンナイト」のような
イスラム世界ではポピュラーな作品は、
見当たらないというのが実感です。

ほとんどが、宗教に関わる物語で、
一般的には聞いたことがあるとすれば、
「ニーベルゲンの歌」くらいでしょうか。

多くは、ローマ時代や騎士道の誰が語ったり、
過去から受け継がれてきたりした話をもとにした内容で
匿名性が高かったようです。

 

  学校でクルアーンを学ぶイスラム教徒

 

イスラム世界では、アラビア語が主流で、
アッラーの神の教えを記したコーランには忠実でしたが、
教会はありません。

 

キリスト教の教会も

イスラム教のモスクも

祈りの場ではありますが、

 

イスラム教では、キリスト教(ローマ教会)のように

司祭や神父を通してではなく

神に対して直接祈る

と考えるとわかりやすいと思います。

 

そして、
一人一人が経典の民として文字を知ることはできました。

基本的に近代以前に聖職者や学者以外が
読み書きを学ぶことは無意味と思われていた

のがふつうでした。

しかし、イスラム世界では、初等から中等レベルの学校が
ありました。

基本的にそこでイスラム教の教育がなされ、
それなりに高い識字率であった可能性が高いようです。

優秀な子供は孤児であっても大学へ進学できた
可能性があり、ヨーロッパとは大違いです。

そのアラビア語にギリシャ語の学問のほとんどが
翻訳されているわけです。

 

どれくらいすごかったかといえば、以前も触れましたが

まず、我々が使っている1,2,3,4…のアラビア数字
アルコール、ガーゼなど、アラビア語起原です。

 

数学、化学、医学あらゆる学問が発達しました。↓

 

文学では、アラジンの魔法のランプやシンドバットの冒険、
アリババと40人の盗賊などディズニー映画や
グローバルIT企業の名称にも使われたりしている
「アラビアンナイト(千夜一夜物語)」があります。

女性を蔑視していた王様が妻にした女性を
次々と殺害して街から女性がいなくなっていきそうな時に、

大臣が娘に白羽の矢を立てます。
妻となったシェへラザード姫が、
命がけで毎夜楽しい話をしては、
クライマックスで次の日につながると千夜継続したところで、
王様が反省するという内容です。

シェへラザードは、
ロシアの作曲家リムスキー・コルサコフが同名で
作曲した名曲となっています。

ちなみに私の大好きな一曲です。
ササン朝ペルシャの話をアラビア語に訳し、
9世紀頃に形になり、
その後様々なスタイルが登場したということです。

ただ、美術が発達しなかったのは、
恐らく偶像禁止であり、
ヨーロッパや日本のように
マリアやキリスト像、仏像などの
発達がなかったからもあるのはないでしょうか。

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

 
 
 

 

 

 

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