感動的なお見送りのあとすぐに

お兄さんと別れ、

自分の部屋に向かう。


すでにまた船は縦揺れ横揺れの

オンパレード。


行きで十分学習した私は、

出港前にベッドメイクやら

歯磨きやらトイレやら

全部済ませておいたので

あとは寝るだけ。


レストランも絶対に行けない。

トイレにも極力行かないようにする。


復路も揺れは酷かったが、

往路よりは少しマシだった。


ひたすら仰向けになり波の音と

船の軋む音を聞きながら

外の景色を想像した。


枕がものすごく硬いが、

枕に頭をのせていないと

気持ち悪くなる。 


はじめての船旅だったので

2等船室を選んだが、

もしかしたら

この狭い空間に閉じ込められるよりも

和室のほうが良いのだろうか?

もう一度乗るなら和室も試してみたいが、

おがまるパックは和室を選べなかった。


15:00に出港し、

翌日の昼頃伊豆大島をすぎた。


伊豆大島をすぎると

さっきまでの揺れは嘘のように消え去った。

天気も最高だ!!


船酔いしながらも

お腹はバッチリ空いている。

レストランに恐る恐る向かう。

揺れがほとんどない!


レストランではお腹に優しそうな

きつねうどんをチョイス。

おいしすぎる…

じっと我慢し続けた荒波のあとの

きつねうどんはとても染みる。


東京湾に入ると回復が凄まじい!

まだまだ食べたりなくて、
最上階にあるラウンジで
アップルパイとミネストローネを注文。
アップルパイは船内で焼いているそうです!

しかしもう船にウンザリしている私は
早く帰りたい気持ちでいっぱいだった。

行き帰りの船酔いや
はじめてのシュノーケルで疲労がすさまじい。

なのに残念なお知らせが放送された。
「竹芝ターミナルへの到着が
     3時間遅れます。」

嘘だと言ってくれ!!
と心のなかで叫ぶ。

なるべく外の風を浴びようと
外に出るが小笠原とは違い、
本土は1月の寒い風が吹いている。
長居はできない。


しかしひとついいこともあり、
本来なら15時に到着しているはずだったので
こんな夕日は遅れがなければ見られなかったはず。


とてつもなく美しく、
静かで海が白く見えた。
穏やかな波の音がチャプチャプと鳴っている。


こちらはこんなに静かで

海は繋がっていても

1000キロも離れると別世界がある面白さ。


小笠原への旅は

多くの気づきを持てたよい旅となった。




そして船酔いと

海水浴の疲れはすさまじい。

全身性エリテマトーデスの

発症はこの時に

かなり進んだのではないだろうか。

振り返るとそう思う。



小笠原編   終わり