海外の補習校のお悩みに、「宿題が多い」があります。

 

担任のクラスでも、

・宿題をきっちりやってくる子

・とりあえずやってきた子 

・できるところだけやってきた子

・まったくやってこない子

と分かれますが、学校によっては宿題をやることが強制になっている場合もありますが、

担任は、やってこなかったことに、怒ることはなかったです。

 

文科省の指導書に沿った教科書で行う授業は、絶対に基本。

これは、普通に補習校の授業にでていればいいわけです。

しかし、年間たった40時間、週1程度の授業量では、当然、足りません。

その足りない分、補強としても宿題は大切です。

 

「宿題をやってこない子」の場合、親も子も、とりあえず日本語を話せて、書ければいいと

思っている家庭に多かったです。(本音はもっとできるようになりたいけど・・・だけど)

 

「宿題をわかるところだけ、できるところだけ、やってきた。」(でも、がんばったね)

「とりあえず全部やってきた。」(最後までやろうという意志が伝わってきて担任、うれしい)

宿題をやることは、学習継続をすることになりますから、力は付いていきます。

親が一定レベルの日本語は身につけさせたい、日本の学校に入った時についていける力が欲しいと思っている場合に多いパターンです。

 

最後に、「きっちり宿題をしてくる生徒」ですが、簡単に言えば、熱意が違うのです。

・帰国子女枠や編入試験を目指している。

・帰国後の日本の学校で十分、それ以上の成績でありたい。

家庭で日頃から、帰国後の目標を見据えて、勉強をしっかりしたいと思う場合です。

 

教師は、どこのレベルに合わせるかというと、真ん中なのです。

なので、宿題をやらない生徒たちには、授業のレベルは高い、でも、受験や高い目標を持っている生徒たちには、生ぬるいレベルなのです。

 

そのため、担任は、どうしていたかと言うとある日の例

 

宿題・・・「今週の漢字10問」「自分の好きな本の紹介文を書く」を出します。

 

当日・・・やらない生徒は漢字10問中2個しかわからない・・・この時間に徹底的に黙々と

     書いて書いて練習させます。家でやらないのなら、学校でという意気込みです。

     紹介文は、その後、1行でもよいので題名と好きな場面を書かせます。

 

   ・・・ある程度やってきた生徒は、10問中6,7問正解なので、間違ったところを30回

     ずつ書かせて、指に覚え込ませます。その後、紹介文の添削をして書きなおしをさせ

     ます。

 

   ・・・しっかりやってきた生徒は、漢字は満点なので、あとは字のきれいさを指導し

     ます。補習校の生徒は、字がきれいではない子が多いです。書けるのなら、次は

     美しい字を書くポイントを教えます。そして、紹介文を添削しますが、少し、難しい

     表現も指導する場合があります。

     花が咲く・・・花がきれいに咲く・・・花が美しく咲き誇る   

 

このように、担任は、常に3クラス分を受け持っているような心構えで、授業をしていましたので、落ちこぼれる生徒もいませんでしたし、不満を訴える生徒もいないようでした。

それは、お母さんたちからの連絡で実感するのですが、プラス、お母さんたちからも「自分が勉強になるわ」と、ちょこちょこ、添削した内容について質問や感想が届きます。

やはり、お母さんたちが理解してくれて、担任と良い関係が築けると、クラスで理想の授業ができました。

 

しかし、これは教師の指導力が相当ないとできません。

また、力があっても、そこまで生徒のことを考える教師でないとやりません。

 

担任個人の考えとしては、自分の目的によって、宿題をやるか、どのぐらいまでやるかを

決めてもいいと思いますけどね。