日本語ラップ研究所のブログ
(2011/09/14発売 \1,500)

脳梗塞から復帰したダースレイダーの最新作。

本人公認で毎度スタイルを変えるダースレイダー、今回ライムする所は丁寧にライムしつつ、病人患者というか、亡霊のようなウィスパースタイル。だがリリックの内容は今回の件で得た新たなキャラクターや別称、自虐的なギャグが満載で、アルバム全体から彼の目指す、ネガティブをポジティブへと反転させるヒップホップのバイブスが伝わってくる。

トラックはほぼファンク入道製で、キャラクターになりきった曲もあれば、1人の人間としての曲があったり、とバラエティーに富んだテーマだがどれもきっちり合わせている。

ラップ、トラックの両面で様々な引き出しを見せ、脳梗塞の影響を心配するヘッヅの不安を一蹴してくれる所がなんともダースレイダーらしい。

がその気遣いのせいか、彼の狂気の面は以前よりなりを潜めている。初めてダースレイダーを聴く方には彼の狂気はこんなものじゃないと言っておきたい。


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サイプレス上野とロベルト吉野(以下サ上とロ吉)の通算4枚目アルバム。移籍先felicityでは定番だったロゴもサ上母製のジャケも心機一転、YOKOHAMA BOYSKIRARIN製へシフト。

外見はガラっと変わったが、内容は等身大の自分をラップしたかと思えばふざけた曲がきて…と、これまでのサ上とロ吉のやってきた事そのもの、かつマルチな活躍から人脈も増え、表現できる幅も増えている。

アルバム全体的にZZ勢に加え、横山剣(CKB)のフックにラブロ&BTBのトークボックス、ノリキヨなどのドーピングにより過去最高の横浜濃度。サ上のリリックもこれまでよりリスナー(非横浜人)を意識している。トラックもヒップホップヘッヅでない人でも聴きやすいものばかりになっている。

とはいえ客演が多くサ上自体のラップの量は少なく、(まじめな曲しかラップしていないため)パンチラインに至ってはほぼないと言え、ヒップホップ濃度という意味では少し不足な感も否めない。

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U.S.からMajor Musicをプロデューサーに招いたシーダの初メジャーアルバム。

トラックは今の日本語ラップにない雰囲気だがU.S.調というより最近のシーダ調トラックといえる。

全体的に感じるのは各曲のテーマの浅さ。10曲目”Fly”は震災についての曲だがこのアプローチはJポップでやり尽くされた手法。メジャーが彼を縛っているのだろうか、と思わせる13曲目が1番深いと感じてしまう。

また自身最多客演で多くのスタイルのラップも聴けるが、ストリートギャングぶりをラップした各々に対しあの内容のラップをしたBES一人が際立つ結果といえる。

さらにバイリンガルであるシーダの周辺の傾向か、客演のリリック中に日本語の文章をベースに一部英単語(=ルー大柴)スタイルが多くみられるが、はっきり言ってかっこわるい。

自身のラップはというとテリヤキとのビーフから始まるネガティブラップがまだ拭えていない。

と、全体的に批評多めだがシーダ全盛期の面影が抜けないからのこと。


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クレバオリジナルフルアルバム通算5枚目となる今作。前作でMPC5000の試運転も終え、(トラックの方向性の是非はさておき)狙っている意図とそれをサウンドが満たしているのは確か。ブックレットの擦りネタ表記がこちらを下世話、とニヤリとさせる。

さてリリックだが、今回もポップ寄りと言わざるを得ない。9曲目パーティーはIZUKO”ではアナログレコードについて少し言及しているが震災からのアプローチともとれる。今作の収録曲の多くに見られたが、クレバの持ち味ともいえるリリックのはっきりとしたビジョンが、最近は薄れているように感じられる。ポップ(=汎用性)に特化した副作用なのか。

また、1曲目基準だが客演ラッパーゼロでこの内容、というのは…。L-Vokal、千尋を入れることは?2曲目挑めはキックRemixにはできなかったのか?

客演の枠数だけに限った話でないが、クレバにとってジブラもいなくなったポニーキャニオンは窮屈すぎる場所なのではないかと思わせる1枚。





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JazzySport(=以下ジャジスポ)に移籍してから初のアルバムは名盤・John Coltraneのジャケを大胆にサンプリング。全体的にジャジスポ色が強く出ており、各アルバム数曲あったしっとりとしたウィスパーラップが全体を占め、ジャジーヒップホップとの相性はこれまでにない程良い。落ち着いたグルーヴが一貫してあり、大人のジャジーヒップホップという印象。

ただ、往年の日本語ラップファンには残念ながら刺さるものがほとんどなく、コンセプトと割り切ればそれまでだが、前作からユウザロックの引退、ライムスターとの共演、キングギドラ再結成など、日本語ラップレジェンドとして曲を書く理由はあったはず。唯一8曲目”Zoo”がユウザロックの最終作ザ・ロックマヨナカノ動物園(ユウザロックのリリックはカットされているが)リミックスになっている。プロデュース欄に枯枝楽団も文字もないのもまた寂しい。

何のファンかによって大きく満足度が変わる1枚ではないだろうか。