ようこそ！
『 日 本 語 を 楽 し も う !! 』 へ
また、読みに来てくれたんですね…！
………。
コンビニの店員が使う
言葉は
お客さんに対するもの
でしょうから
敬語といえるもの
なんでしょうね。
こういう言葉を
“コンビニ敬語”
というそうです。
………。
そこそこの
年齢だが
中々可愛らしく美人で
少し
俗に言う“天然”な
コンビニの
女性店員と
弁当を買いにやって来た…
少し覇気がないのだが
中々の
イケメンである
若い男性客との
会話を少し…。
………。
『………。』
何も言わず
レジで
弁当を差し出す。
「お弁当、温めますか？」
『はい。』
「いやーっ、
そりゃそうですよね。
冷たいお弁当は
味気ないですからね。」
「あなたも
“そっち派”ですか？」
「実はね。
私もそうなんですよ。」
「いつも、チンして
温めてから
食べるんです。」
「昼は
昼ドラ見ながら
食べるんですけどね。」
馴れ馴れしく
そう言い放った
その店員は
その弁当を
そのままレジ袋に入れ
「ハイ、どうぞ。」
と言う。
『 あのー、
…温めてほしいんですけど？』
「えっ…、」
と言って
びっくりした様子の
店員は
頬を
両手で包み込むように
押さえながら
少し
顔を赤らめて
うつむいた。
すぐに
気を取り直した
店員は
思い切って
尋ねる。
「私に…、
温めてほしいんですか…？」
『はぁ…、
…ハイ。
あなたに温めてほしいんです。』
「いやだ…、
それならそうと
最初から言ってくれれば…。」
『あのね。
電子レンジで
温めるんですよ。
…お・弁・当・を…。』
「家では…
いつも自分で
やってることを…
私に…
させたいだなんて…。」
「そんなに…
私のことを…。」
「…やっぱり
あそこが…
気に入ってもらえたのかな…？」
「罪なんですね…
やっぱり…」
『 ……
お弁当を
温めてほしいだけなんですけど！』
………。
…それこそ
気を取り直して…
言葉遣いの話です。
………。
お客さんが
電子レンジで
温めてほしいと
思っている
お弁当を
店員側から
「ここの
コンビニの中にある
電子レンジで
今からすぐに
そのお弁当を
温めたいと
思っていらっしゃるのですか？
その作業を
私がさせて頂いても
いいでしょうか？」
と
言いたいのならば…
短く言うのならば…
「お弁当を
温めましょうか？」
で事足りますし
これが適切な言い方です。
………。
「温めますか？」
と言ってしまうと
A
すぐこの後
温めるという行動を
する意志があるかどうか
B
いつも
その温めるという行動を
習慣にしているのかどうか
という
A・B
二つのどちらかを
尋ねていることになります。
………。
最初に
書いた小説
いえいえ
小話では…
Bの方で…
女性店員が尋ねていたのは
男性客の
いつもの習慣の話であって
今ここで
温めるのかどうかを
尋ねたのではなかった
ということです。
これは
論外としても…
………。
Aの方は
どうでしょうか？
ここまで
読んで
うっすら判った方が
いるかもしれませんが…
Aの場合は
言葉を発している
本人の意志を
他人である
客に尋ねていることに
なります。
つまり
「私は
もうすぐ
この会社を
辞めますか？」
と
この言葉を
発している人を
全く知らない人に対して
尋ねているのと
同じことになります。
こんなこと
尋ねても
判るはずがありません。
これは…
辞めようかどうか
迷っていて
見知らぬ人であっても
何か
答えや示唆を言ってほしいと
思っていたとしても
日本語として
おかしい表現です。
………。
重い荷物を持っている
おばあちゃんに対して
助けてあげたい…
助けてあげよう…
と思ったとき
言う言葉は
「荷物、持ちましょうか？」
「御荷物をお持ちしましょうか？」
です。
“申し出”を表す言い方は…
たとえ
皇帝と呼ばれる人に対してでも
直接話が出来る人間であれば
「御荷物をお持ちしましょうか？」
で必要十分です。
…すると
おばあちゃんは
にこっと笑い
「まあまあ
ありがとうねぇ。」
と言い…
言葉を発した
部活動帰りの高校生も
「いいんですよ。
いつも鍛えてますから…
どこまで
持って行ってもいいですよ。」
などと言って
同じく
にこっと笑うのです。
続弾！問題な日本語
北原保雄
NHK気になることば
調べてナットク意外な発見!
日本放送協会
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美しい日本語を面白おかしく楽しもう!!
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