中間色を蘇らせた!『四十八茶百鼠』“チャ”と“ネズ”を“いき”として流行らせたのは江戸っ子か?! | 日本語を楽しもう!!

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ようこそ!
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また、読みに来てくれたんですね…!




………。


利休鼠”(リキュウネズ)
という
色があります。




$日本語を楽しもう!!-利休鼠
利休鼠





茶人の千利休とは
直接関係はありません。




………。




~鼠”という
色名は

“~ねずみ”と読むことも
ありますが


通常
~ねず
と読みます。




………。




利休さんが
好きだった色とか

何かにつけ
良く使っていた色とか



ではなく…




利休ならば
好きになったのではないか


好んで使っただろう
好んで使って欲しかった


ということから
出来た色名です。





………。





江戸後期には
茶色”と“鼠色
が流行るのですが



後の人間が

この
“緑みのある鼠色”を




風流な色
高尚な色


として



利休鼠”と
名付けたと言われています。





………。





利休~”という色は
“緑みを帯びた”
という意味
で名付けられていて



利休茶
といえば


“緑みを帯びた
渋い茶色”
ということになります。





$日本語を楽しもう!!-利休茶
利休茶






………。

………。






グレー
表す色名は




古くは
鈍色”(ニビイロ)




$日本語を楽しもう!!-鈍色
鈍色




黒橡”(クロツルバミ)



$日本語を楽しもう!!-黒橡
黒橡


などがありました。





これは
縁起の悪い色
低い身分を表す色
喪を表す色



という
イメージの悪い色でした。




………。





それを

江戸時代後期には
四十八茶百鼠
と呼ばれるほどの
流行色としたのは

江戸っ子だと
言われています。




………。





鼠色”というのは
後に作られた言葉で




グレーを表す色名は
古くは
“鈍色”
“黒橡”
などがあり


次に
灰色
という言葉が現れました。





火事の多かった江戸の町では
嫌な色名だったと思います。





………。





どこにでもいる
ネズミ




溝鼠 (ドブネズミ)も
屋根裏を走る家鼠も

色は
グレーじゃないか…




言ったかどうか…
判りませんが
(グレーとは言わない…)





誰が言うともなく

鼠色”という
色を表す言葉が使われ出し




その
グレーのバリエーションを

~鼠”と言って



縁起の悪い色
火事を連想させる色

という
イメージを払拭させ




貧乏にも負けない
粋な色として

大いに使い
楽しむようになった訳です。





………。





“浮草鼠”
“松葉鼠”
“高砂鼠”


また


“白鼠”
“銀鼠”
“水色鼠”
“青柳鼠”
“呉竹鼠”






更に
場所の名前の入った


深川鼠


$日本語を楽しもう!!-深川鼠
深川鼠



“藍生鼠”(アイオイネズ)(相生)
“湊鼠”
“淀鼠”
“鴨川鼠”
“江戸鼠”
“遠州鼠”
“嵯峨鼠”





ただし
四十八茶百鼠
といっても


下に書く
茶色”もそうですが…


本当に
48も
100も
あったのではありません。




念のため…





………。

………。

………。






お茶が好きなんです…。

何かと言えば
お茶を出す。





庶民は
煎茶
でした。





………。





江戸時代
飲み物として
お茶が流行し




そして
その
煎茶の
葉や茎の煎汁による染め物

茶染”(チャゾメ)
が盛んに
行われるようになり



“茶で染めた色”
茶色
という色名が出来たと
言われています。





………。





流行というのは
恐ろしいもので




飲むお茶が流行る…

茶染が流行る…

矢鱈
“茶”という言葉を使う…


…という流れとなって





とても
“茶色”といえない色まで

上に書いた
~鼠”のように

~茶”が出現してきます。





………。





茶色”は

鼠色”と同じく
中間色です。


これも
粋な色でした。






庶民の
お茶”の色
であり
渋い色
でした。





赤ほど
派手ではないが

暗い色ではない


つまり
粋な色だったのです。





………。






丁子茶”(チョウジチャ)

丁子の蕾 (ツボミ)で染めた
丁子色”を

江戸時代に
“茶”を付けて復活させたもの。




$日本語を楽しもう!!-丁子茶
丁子茶




海松茶”(ミルチャ)

ミルという緑藻で染めた
海松色”を
江戸時代に
“茶”を付けて復活させたもの。




$日本語を楽しもう!!-海松茶
海松茶





“鶸茶”(ヒワチャ)
“鳶色”
“雀色”




$日本語を楽しもう!!-鳶色
鳶色






………。

………。







更に
“茶色”の流行を
加速させたのは





前回の記事
歌舞伎役者が流行らせた色ってあるんですね!”
に書きましたが





歌舞伎役者
流行らせた色です。




………。





これを
役者色
というのですが

茶色が
とても流行っていた訳ですから

茶色が好きだという
役者が多かったということですね。




………。





芝翫茶”(シカンチャ)

“芝翫”は役者名ではなく
三代目・中村歌右衛門の俳号です。

赤みのある茶色。



$日本語を楽しもう!!-芝翫茶
芝翫茶




梅幸茶”(バイコウチャ)

初代・尾上菊五郎の俳号から
付けられた色名です。

緑みのある茶色。


$日本語を楽しもう!!-梅幸茶
梅幸茶




璃寛茶”(リカンチャ)

二代目・嵐吉三郎の俳号から
付けられた色名です。

渋い焦茶色。


$日本語を楽しもう!!-璃寛茶
璃寛茶




路考茶

女形の二代目・瀬川菊之丞が

八百屋お七の下女
お杉を演じたときに

身に付けていた
美しい茶染めの衣装が
評判となったもので

何と
後に五代目まで
踏襲され

その都度流行ったと言われています。


鶯色に近い渋い緑みのある茶色。


$日本語を楽しもう!!-路考茶
路考茶





………。





粋なことが好きで
何でも楽しんで生きて行く




江戸っ子の心意気
覗われるって
もんでまさぁ…









………。







………。




前回の記事
歌舞伎役者が流行らせた色ってあるんですね!”
には
書かなかったですが…


規格に従った
色調を見たいという方は

アート紙・コート紙などに
カラー印刷されたものを
御覧頂いた方が間違いないです。

コンピュータ上の色の画像は

ちょっと
見る角度が変化しただけでも
変わりますが

個々の
モニターの設定によっても
変わりますし

モニターを通すことにより
独特の
可也違った印象を受けるものとなってしまう
場合があります。









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