ある人にお会いした帰り道。
バスを待ちきれないで初めて通る道を歩き出す。
畦道のクローバーを揺らす冷たい風。
大きな国道を横切れば、
間もなく見知らぬ川に差し掛かる。
水面にその身を映すように咲く水仙の群れ。
水仙の花言葉は、『うぬぼれ』。
自惚れるのも分かるほど美しかった。
『自分の納得のゆく作品を描きなさい。』
いつも励ましてくださるその人に言われた言葉を思う。
作家として成すならば、
息長く、焦らず、自他ともに認められるような作品を描きたい。
そのために、時間をかけ、妥協せず、
それが私に足りないところ。
現時点で自惚れてはいけない。
自惚れるまではまだ遠い。