膠レシピ。 | 日本画いろは 川村愛

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福岡在住の日本画家 川村 愛 の【 ことのは帳 】です。
絵のこと。日々のこと。綴ってまいります。

10月になってしまいました。
福岡は秋らしい青空が広がっています。

いいお天気の日はどうさ引きをして裏箔をして裏打ちして…。
まだこんな準備をしてるあたり、
焦り具合がお分かりいただけるかと思います(´Д` )

今回は、久しぶりに膠を真面目に作ろうと思います。
ずぼらな私は暑いとすぐ膠を腐らせてしまうので、アートグルーで済ませていました。
しかし、涼しくなったし、膠だまりのできるちょっとぽてっとした感じに描きたくなったので、真面目にやろうと(`_´)ゞ

膠を真面目に使うなら、どうさも真面目に作らないと。
水・1L+三千本膠・1本+ミョウバン・10g
料理のレシピに「焼きミョウバン10gは大さじ1杯」とあったので、乳鉢で擦ったミョウバンを大さじ1杯分投与。
味はちょっと渋めだったので、すり切り1杯でちょうど良さそうです。

次に膠を作ります。
400ccの水に、今回は三千本膠2本+鹿膠6個。ちと濃いですね。
普通は400ccに鹿膠4~5個くらい。
ただこれだとさらっとし過ぎて膠だまりが出来ません。
師匠が鹿膠をおまじない程度に入れると言っていたのを思い出し、てきとーに放り込んでみました(笑)
どうなるかな~⁇σ(^_^;)

6時間ほどふやかした状態。
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ふやかすのは、火にかける時に溶かし易くなるのと、乾燥している膠の繊維を網目状に広げ最大限接着力を引き出すためです。水に漬けすぎると白く広がりすぎて弱くなるようですので、料理で言うところの一晩(約8~10時間)くらいがいいかと思います。
 
温度計で計るようなことはしませんが、
鍋のふちに泡が出てくるのがおよそ60℃らしいので、それ以上にならないように湯煎(私は面倒なので攪拌しながら直火(^_^;))して溶かします。


☆子どもの小学校で夏休みの自由研究の発表会があり、5年生の男の子がゼラチンについて調べていました。
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膠はゼラチンと同じものですので、溶ける温度固まる温度はこの表の通りです。
このレポートには個人的にものすごく感心してしまいましたd(^_^o)

溶かしたら、こんな感じ。
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うん、濃いな(;^_^A ちょっと薄めて使おう。
三千本膠1本でよかったかもしれないですね。


接着剤から自分で作る、また日本画のめんどくさポイントですが、この濃さによって絵の具の発色や描き味が違ってきます。

真面目に…と言いながら、全然適当でしたね(笑)
いろいろやってみて、自分の膠レシピを見つけていきたいと思います♪