老年精神科医で、毎週のように新書本を出している和田秀樹医師らによると、高齢者には「やせ体形」は良くなく、「ややぽちゃ」が理想だと説いている。
実際、65歳以上の高齢者は、BMI値が21.5を下回ると「やせすぎ」なのだそう。
日本では、長年肥満が嫌われており、ずっと「カロリー制限を」「やせが理想で美しい」と思われてきたから、こんなことを言われても急には受け入れられにくいだろう。しかし、BMI値はもともと「60歳未満」の人々の「やせ、普通、肥満」のラインを引くのに用いられてきたもので、65歳以上になると、数字が違ってくるのだそう。
実際、65歳以上だと、BMI18.5から20未満は、「軽度肥満」より死亡リスクが高く、さらに、17未満になると、死亡リスクはさらに上がるそうだ。
日本の高齢者は「やせ」のイメージが強いけれど、やせている方が低体重(=筋肉が少ない)、低栄養により、病気になったり死亡したりするリスクが大きいので、高齢者は、もっとカロリーとタンパク質をとれ、と勧められている。食が細くなる年齢なので、おやつに高カロリーのものを食べたり、「ダイエットの大敵」と思われている油脂を食事に加えたり、も勧められている。へえ。
不思議なのは、男性の場合だが、BMI30以上になっても、死亡リスクは上がらない、という事実。これに対し、女性の高齢者はBMI30を超えると、確実に死亡率が上がる。なぜ男性高齢者は肥満になっても大丈夫なのだろう?
ただ、私個人は、若いころ太っていたのが非常にみじめだったので、BMIだって18.7くらいを保っているし、65歳を過ぎても太りたいとは絶対思わないだろう。それで死亡リスクが上がるなら本望、太って長生きするよりやせて早死にした方が良いわ、とすら思う。ひとくちに「死亡リスク」とは言うれど、多少長く生きたとしても、糖尿、高血圧とかあれこれ病気を背負いながら長生きしていても「死亡リスクが低い」にカウントされてしまうのか、というのが疑問。長生き=良い、わけではないのでは。
しかしうちのアメリカ人旦那、
「アメリカの高齢者にデブはほとんどいない。アメリカの場合、デブだと長生きできないからだ」
と悟り、数年前から炭水化物抜きダイエットにはげみ、結構体重を落とせた。もう少しやせたら?と思っていたけど、年齢とBMI値をみたら、もうその程度で良さそう、らしい。
しかし、アメリカ人の場合だと、日本人と体質が違うから、日本の男性高齢者が肥満でも良いというのは、そのまま参考にならないかもね。悩む。