オバタリアン。

懐かしい言葉だ。1989年には、当時絶大な人気を誇っていた社会党の党首(←今では信じられないが、こういう時代があった)、土井たか子が、原作者の堀田かつひこ氏とともに流行語大賞を受賞した。

あつかましくて、礼儀知らずで、周辺の人々に迷惑をかけまくって平然としている中年女性を指す言葉だ。

 

これを思い出したのは、我が家が住むマンションの大規模修繕工事が今年行われるからである。

マンションの住人を集め、その説明会が開かれたとき、なぜか一人で質問をしまくっているBBAがいた。仮に、「小畑さん」と呼ぶ。

小畑は、あらゆることに不満らしかった。

小畑の家では、車を持っている。サイズが大きいらしいので、マンションの地下の駐車場には入れられず、外置きの駐車場に停めている。

しかし、この工事の事務所とか資材置き場などのため、外置きの駐車場スペース全部を利用する必要があり、工事期間の数か月は、外部の駐車場を臨時に借り、そこに停めてもらう決まりになっていた。多少遠くなって不便をかけるけれど、たった12年に1回のうちの数か月だ。もちろん、外置き駐車場料金は個人の負担にならない。

しかし、小畑はこれにも噛みついた。やれ遠くて不便だとか(外置きの人たち全員が辛抱してもらうんだが)、用意された駐車場が気に食わないとか。

聞いたところ、小畑は、日ごろから、マンションの前の不法駐車をよく見張っており、少しでも見知らぬ誰かが停車したら、1階のマンション管理室やマンション管理会社に「車をどかせ~」と、鬼伝をかけるのだそうだ。

 

やれやれ。

たかが12年に1度の数か月なのに。

とにかくあらゆることに文句をつけたく、あらゆることが不満らしい。

きっと小畑は「100対1」でも反対するに違いない。

こんなに不満だらけなら、マンションのような集合住宅でなく、戸建てに住めばいいのに。