アラウンド90の女性お二人について書きたい。
おひとりは、女優の草笛光子さん。昨年100歳を迎えたという作家、佐藤愛子さんの「90歳 何がめでたい」という本が映画化され、その主演女優をお務めになったのだが、なんといっても、90歳というご高齢で映画の主演を務めるというのは、生半可なことではない。
あれほど美しく、かつ、かくしゃくとした90歳は、国宝ものだと思う。
そして、先日、この人の講演会を聞きに行った。
草笛さんより1つ年下のITエバンジェリスト、若宮正子さん。
彼女は、高卒後入社した三菱銀行を、その年代では珍しく、未婚のまま定年まで勤めあげている。
よく、25歳くらいで肩をたたかれなかったものだなあ、と思う。
58歳から独学でパソコンを学び、81歳で、高齢者にも使いやすいゲームアプリ「hinadan」を作り、MicrosoftのクックCEOにも招待され、世界最高齢のプログラマーとして名をはせた。
いや、素晴らしい。
この方の場合、日本中、世界中、どこへ呼ばれてもお一人で出かけていくのだそうだ。
「Excel art」といって、エクセルのセルを使った様々な模様を用い、洋服やその他身の回り品のデザインにし、クックCEOからも「エクセルの新しい使い方を開発した」と認められている。
草笛さんは、もともと芸能人として有名であるから、簡単に比較というか参考にするには天高すぎるおかたなのだけど、若宮さんには、これから年を重ねていく凡人として、学びたいと思う。
89歳のお年で、パワポを使いながら、立って1時間半の講演もこなしていた。
「人から必要とされること」、「仕事が降ってくること」、「どこでも自分一人で出かけていくこと」。
これらの要件が満たされていれば、ボケる心配もないだろう。
我が国は、未曽有の少子高齢化社会に突入している。
こうなったら、高齢者にどんどん、週に数日、1日数時間でもいいから働きまくってもらおう。