ここ数日ネットで問題になっていた話。
読んでいて、腹が立った。
小学校の健診で、この78歳の医師が、子供たちのパンツをめくって性器を見たり、女児の胸を見たり、さわったり(本人は否定)したそうだ。
医師だから、第二次性徴を確認するため必要、とか、あらゆる医学的な説明は可能だろうけど、ほかの医師では学校ではそのような健診はしていない、という意見が上がり、なんか言い訳が苦しそうだ。
この報道を見て思ったのが、今は、子供たちが「いやだ、不快だと訴える意識」が出てきた、ということ。
私の時代ならば、いや、今でも、「お医者様のすることは絶対」という思い込みが存在する。
私は学校の健診でこういった検査をされたことはないけれど、思い出した。
中学1年か2年のころ。
当時私は、毎月、膨大な出血量に苦しめられてきた。顔が青い、というより土色だったのを心配した母に、当時住んでいた、長野の日本赤十字病院に連れていかれた。
もう中学生だから、普通は内科を受診するであろう年齢。しかし、長野日赤では、
「中学生までは小児科です」
と、小児科に回された。
お医者さんだから、当然聴診もされた。
私は6年生くらいから乳房の発達が進んでいた。しかも、しきりもないすぐ隣で、別の医師が、別の男の子を診察している。それでも、胸をはだけさせられた。何度も、少しでも胸を隠したく、小指で乳頭を隠したのだが、そのたびに医師に小指を払いのけられた。
恥ずかしくてくやしくて、涙があふれた。医師は「泣いてんのか」なんて言いながら、私のまぶたをひっぱって色を観察した。
結果は当然、大量月経による鉄欠乏性貧血だったのだけど、それならば小児科ではなく本来は婦人科にかかるべきこと。しかし、母は、父の
「未婚の子供が婦人科なんかに行ったら中絶と思われる」
というお達しにより、それはかなわなかった。
お医者さんの言うことだから、絶対さからったらいけない。
お父さんは男だから、絶対さからったらいけない。
と、母は思っていた。
もちろん、我が家は母の頭が相当古かったわけだし、今でも、親の石頭の被害を被っている子供たちは多いだろう。けれど、みなかみの保護者の方々は、抗議の声をあげてくれて、本当に良かった。