先日、テレビ東京の、運送業に適用される2024年4月の働き方改革に関する番組を録画して見たのだが、中で、宅配便の受取時間を指定しておいた客が、いくらピンポン鳴らしても在宅しておらず、ドライバーが持ち帰るシーンが放送された。

なんと失礼な話だろう。

 

荷物を持ち帰った宅配の人は、

「俺らドライバーを人間と思っていないんじゃないか」

とこぼしていたが、至極まっとうな感想である。

百歩ゆずって、受け取る側も、急な用事でどうしても出かけねばならなくなった、のかもしれない、が、多分そんなことはないと思う。単に、忘れてただけだろう。頼めば、また配達してくれるからいいや、と思っているのだ。しかも、無料で。

 

これは、本当に昔の話(大体1980年代)だが、ヤマト運輸の創設者である小倉昌男氏のインタビュー記事を読んで、驚いたことがある。再配達に関することを聞かれ、小倉氏は、

「何度でもお届けします。お客様がご不在の間に訪問してしまった私どもが悪いのです」

と答えていたのだ。従業員の福利厚生がものをいう現代では、こんな滅私奉公的な考えはもう絶対に通用しないが、そこまで客に尽くしぬくことを是としていた企業文化のもとでは、配達時、更には再配達時に不在にしても、腹を立ててはいけない、などと教育されていたことだろう。しかし、あまりにも客にへりくだりすぎた考え方だ、と私は納得がいかなかった。

 

今はもうそんな時代ではない。

客の方から指定した配達時間に当の客が不在であったら、ペナルティーとして500円くらいは最低限取るべきであろう。客の方も、罰金がかかっているなら、もっと真剣に在宅するはずだ。

運送側は、もう少し強気に出て全く構わないと思う。お客は神などではない。失礼な客には、罰金を課すべきだ。