わが地元、神奈川県も、たまには良いお仕事をなさるらしい。

正式には、「神奈川県公共施設における受動喫煙防止条例」というのだそうだが、とにかく、公共の施設などでは、一定の例外を除き、全面禁煙にするか、分煙の措置を取らなければならない、という義務を課す内容である。零細規模の店舗にとっては厳しいものがあるかもしれないが、実に良いことである。
私も旦那も、昔から外食に消極的なのは、日本人にはとかく喫煙者が多いからである。公共の場で、他人に構わず、ぶかー、ぶかーっと煙草をふかしながら飲食する喫煙者のあの無神経さは、どこから来るのだろう。なぜ、おいしいものを食べながら、平行してたばこをふかせるのか、到底理解できない。喫煙者は、味蕾が壊れているので、物の味がわからないのかもしれないが、だとしたら食べ物に対しても失礼な話である。
外を歩いて疲れたときに、「何か飲もうかなあ」と思い、ドトールなどのコーヒー・ショップへ入ると、たばこの煙がもうもうと立ちあがっている。ああいう人たちにとっては、コーヒーなどの飲み物を買うのは目的として二の次、三の次であって、まず何と言っても、ニコチン禁断症状を抑えるために立ち寄っているのだ。しかし、こちらは、いくら「禁煙席」に座っても、流れてくる煙を吸わされるのはゴメンなので、飲み物を買うのも諦め、そのへんの自動販売機から飲み物を買って立ち飲みで済ませることもある。
先週のある日、MRIを撮るため、午後、半休を取って病院に行ったあと、駅の軽食コーナーに立ち寄ったら、見事に分煙されていた。ニコチン中毒のみなさんは、ガラスの囲いのなかで、ぶかぶかニコチンを補給している。こう言ってはなんだが、さながら「動物園のサル」状態である。あんなにまでニコチンが必要な体になってしまうとは、なんとも、まあ、と、ガラスの外から彼らを見て、哀れに思ってしまった。