野菜も高騰しているので、赤松という農林水産大臣は、
「農家の皆さんは野菜を前倒しで出荷して欲しい」
などと言っているが、作物そのものが育っていないのに、何故「前倒し」などと言えるのか、わからない。
野菜が高騰しているときもそうだが、不景気のせいもあって、「もやし」がますます人気だ。
特売のときは一袋10円で売っていたりする。平常時でも、30円から50円だ。
さて、先週末、美容院に行き、髪をやってもらっている間、積んである女性雑誌に目を通した。
「節約おかず」は、今も昔も変わらぬ人気記事らしい。
しかし、だ。時々「カリスマ主婦」なる女性が登場し、「家族3人、1か月の食費を○万円でやっています」という特集記事を目にする。「うそだろ~~~?」と叫ぶほど低い金額である。
実際、1万5000円とか(!)3万円で、夫婦と子供一人でどんな料理を作っているのか、写真が出ていたりする。見ると、おかずが単品だったり、量が少なかったりである。「もやし」で増量したもののオンパレードもあるし、グラタンなど見ると、パン屋さんでパンの耳をもらってきて、それで大幅にかさを増しています、なんて書いてある。
こういう家族は、まだお子ちゃまが小さくて食費を脅かす存在ではないから、「3人」というより、事実上夫婦二人と考えるべきだが、しかし、お酒は一切登場しないし、果物や嗜好品も出てないし、調味料代が含まれていなかったりもする。しかも、夫のお昼は、夫の小遣いから出させているらしい。「それじゃ~、食費1か月○万円、なんて、ごまかしじゃん」と思う。おまけに、「夫の実家が農家で、コメや野菜をもらえる」なんてのが登場したりもするので、「そんなの、詐欺だ!比較の対象にならんぞ」と思う。とにかく、普通に食べて適当にビールなど飲んでいたら、1か月3万円で済むはずが無い。
うちなんか、料理を作ると、旦那ちゃんが8割くらい食べてしまう。私はあんまり空腹感を感じないので、それはそれでいいのだが、男って、やっぱり、年がいっても結構食う生き物だ。それをあんな主婦雑誌のメニューのように、ちょぼっとの量であったり、モヤシでかさ増した料理ばかりだったら、夫たちは、家の食事に幸せを感じるのか、甚だ疑問である。そういう記事には、ビールの1缶も出てこないし。ましてや、夕飯で、パンの耳でかさ増ししたものなんぞ食わされたら、男として、惨めではないか?
食事は、健康や幸せに直結するので、あんまり節約しすぎると、幸福を感じなくなる、と思う。いくら節約ブームとはいえ、食費をそこまでけちけちするのには反対だ。
ところで、もやしの原料となる「緑豆」(写真)は、支那からの輸入100%であるが、最近は、支那の農家も、より利益の見込める作物に転換しているため、緑豆の生産量が減少しているそうだ。となると、もやしも「安い野菜の代表」でなくなる日がいつか来る。そうなったとき、主婦雑誌は、どんな節約おかずを載せるのであろうか。