私は、国際結婚をしたせいで、それまで全く知らなかった在留資格(ビザ)や入国管理局行政については、人より勉強したつもりだ。

外国人が日本に住むのに一番便利なビザは「日本人の配偶者等」。これは本当に万能なビザで、職の選択に制限が無い。無職でもいい。会社の転勤などでなく、個人的に日本に住みたいなら、日本人を配偶者に持つのが最も良い。

その場合、永住権も取り易い、と言われている。が、入国管理局の本音では、永住ビザを出すより、帰化して欲しいのである。それは、そうだろう。一生住み続けたいにもかかわらず、別の国の国籍を維持したままなのは矛盾している。永住ビザは、入管にとって、あまり出したくない、出す甲斐のないビザと言えるだろう。
ちなみにうちの旦那さんは、永住ビザの申請をしても、いつも日本人配偶者ビザ3年しか出ない。ま~、米国籍を捨てるつもりがないから、住まわせてもらっているだけで御の字であろう。これはうちに子供が居ないせいかと思い、会社で、アメリカ人旦那との間に子供が二人居る人に聞いたら、彼女の夫もまだ永住ビザが出ない、とのことだった。子供がいるとビザ申請には有利、と言われているのだが、2人もいても出ないのだ。

国籍法第5条には、帰化の要件として「20歳以上」「素行が善良なこと」「生計を営むことができる」「日本国政府を暴力で破壊する団体に加わったことが無い」などとある。「WILL」3月号に、中国籍から日本に帰化した石平氏が帰化申請書を出したとき、「まるでクレジット・カードにでも加入するような感じであった」と述べたとあった。そんなに簡単なものだろうか。晴れて日本のパスポートを持てると、ビザなしで行ける外国がぐんと増えるし、第一、日本人だというだけで信用度が違う。そんなに帰化が簡単だとは思えない。

日本国の参政権が欲しければ国籍を持て、というのは当たり前の話である。自分の祖国のアイデンティティーを捨てない人間に、日本での参政権を与えるなどとは言語道断の話だ。選挙権はそんなに安っぽいものではなく、また、納税と引き換えでもない。

WILLによると、中国政府は、移民活動を積極的に推進しているという。まあ、中国人なら、国が推進しなくとも、どこへでも移民するであろう。もともと国籍に未練の無い中国人は、世界中に飛び散り、「中国系●●人」になり、その土地に根を張る。しかし、問題なのは、国籍が中国でなくなっても、アイデンティティーが中国のままなことだ。出生地主義で国籍を与える国ならば、生まれるだけでその国の国籍を持つが、内心はいたって中国人のままである。それで政治に口出しを始めたら大変だ。支那大陸との関係強化も余儀なくされる。支那国は、それも目当てで移民を推進しているのであろう。

日本で帰化をしたなら、日本国民なのだから、選挙権も与えられて当然であるが、内心が中国人、韓国人のまま国籍だけ日本になっているとしたら、これは、外国人のままでいるより、もっとやっかいなことになりかねない。帰化申請の際に、「こころチェック」までできないのが残念だ。アメリカの市民権取得の際の口頭試験では、「いざとなったらアメリカのために銃を持って戦うか?」と聞かれ、「Yes」と答えなければパスできないそうであるが、わが国の帰化要件が、石平の言うとおり「クレジット・カードに申し込む程度」に簡単なものであったなら、ぞっとする。