「Ass kisser」とは「ゴマすり、おべっか使い、こびへつらうヤツ、ご機嫌取り」と言ったような意味だが、「人のケツにキスすることもいとわない野郎」とダイレクトに訳したほうが気持ちがいい。
今週は本当に、会社のケツキス野郎にむかついてしまった。
このケツキス野郎は、ナリはでかいけれど内心はガキのアメリカ人である。一応私の直属上司にあたり、以前は同じ東京オフィスにいたが、その後転勤し、普段はシンガポールにいる。東京オフィスにいたときは、それほどでもなかったのに、APAC全体を見るようになってからは、露骨にケツキスぶりを見せるようになり、周囲を唖然とさせている。
話は一瞬それるが、私は、かつて、ゴマすりとは日本人の専売特許だと思っていたが、初めてアメリカ系企業で働き始めた遠い昔、アメリカ人のそれは日本人も真っ青なほどすさまじいものであることを知り、驚いた。まさに、ケツにキスどころか、なめろと言われたら靴の裏までなめるほどだ。出世のために、週末に上司の家へ行き、車を洗ったの犬の散歩をしたのと、涙ぐましいほどのゴマすりをしたという伝説には事欠かない。私が全くそういったことをしなかったため、その会社に入社してから2年ほど、アメリカ人上司と私はよく衝突した。彼は、なぜ私が彼にこびへつらわないのか全く理解できなかったらしい。さんざんもめにもめたが、結局、彼は肩書きほど能力もない変人だということがわかってきて、私が彼の仕事のできなさを頻繁に尻拭いするようになってから、彼も態度が軟化し、私に敬意を示すようになった。彼は結局、致命的な失敗を犯して逃げるようにアメリカに帰っていった。
話を元に戻す。そのケツキスは、アメリカ本社にも嫌われ(だからアジアに飛ばされたのかな)、東京オフィスでも評判がよろしくない。そのせいか、わずかに自分を好いてくれるAPACの少人数に対する肩入れが異常なのだ。
今週、オーストラリア支社から、
「○○大学との契約書、今月中に欲しいのだけれど、作成してくれないか」
と依頼があった。オーストラリアの契約書は、アメリカ本社で作っている。しかし、アメリカ本社は
「感謝祭で休みだし忙しいからだめ」
とむげに断ってしまった。それで、本社からケツキスに
「あんたの部下のところでやってくれないか」
と回ってきた。我々も手一杯だったし、アメリカ本社の「忙しいからダメ」という態度にもカチンときたので、一度は断ったのだが、ケツキスから
「やってやらないとお前ら殺すぞ」
並みの脅迫メールが来たので、渋々引き受けることになった。
しかし、その契約書は、背景が複雑で、過去の契約書を見てもこれまで提供していた製品の内容がさっぱり分からない。オーストラリアの営業担当は、いともたやすく
「●●製品を追加すれば済むだけだから、簡単でしょ」
などというが、現在提供している製品が何年から何年までのものかを特定してくれないと、契約書が書けない。しかも、追加する製品以外に10製品くらい利用しているようだ。詳細が分からないので、その営業担当に聞いたら、
「こちらもわからないわ」
と返答が返って来た。その顧客の営業担当なのに、現在提供している製品の年度も知らないで売ってくるといういい加減さにもぶったまげたが、このメールのやりとりを見たケツキス男が、
「Ms.**(注:この営業担当者の名前)にはコンタクトするな、負担だから。製品の提供年度はそっちで調べるか、インドのXX部に聞いて調べろ」
などと言う。自分の顧客の使用中の製品のこともわからないで営業しているという担当を叱るのが本筋だろうに、彼女に質問をした私を逆に「負担をかけるな」と叱ってきた。なんで彼女でなくインドにまでコンタクトしないとならないのか、ぶりぶりしながら、とりあえず、日本で調べられるところはPCを駆使して推測し、ダメ押しでインドにメールと電話をし、調べてもらった。来た回答はとんちんかんなところがあったが、それでもなんとかこちらで推測しながら、契約書らしいもの(注:当然だが全部英語)ができあがった。
しかし、これは本来米国本社で作成すべきもので、彼らでないとノウハウや背景は完全にわからないのである。感謝祭で忙しいという言い訳で作らされ、こちらのミスで責任を取らされたらたまったものではない。一応、できた書類をメールに添付したが、しかし、
「本件については、当方で100%内容を把握することが不可能なため、本書から生じるミスについて責任は負いかねます。ご了承ください」
と添え書きをしたら、30秒後にそのケツキス男から
「こんな失礼なことを書くな。謝れ」
というメールが来た。ばかめ、免責条項くらい書くのは契約書担当の常識だろうに。私は絶対に謝らなかった。
「ぼくが契約書の内容をチェックしてやるから、ぼくに送れ。Ms. **は最後まで絡ませないように」
という執拗な指示が来るので、ケツキスにそれを送ったら、まあ、犬か猫に見せるほうがまだマシでは?という、愚にもつかないようなコメントが返って来た。契約書のド素人に送るだけ無駄だったが、送らないとこれまた怒るだろうから仕方なかった。
あとで聞いたところ、このケツキスは、Ms. **が大好きなのだそうだ。自分が大好きな人、あるいは自分を好いてくれるわずかな人たちに対しては、それ以外の社員の10倍も100倍も優先順位をおかせ、熱意と手間を注がせてやまない。私は、契約書をリクエストしてくれた社員が誰であろうと、当たり前だが、仕事は絶対平等に取り扱う。優先も劣後もない。しかし、このケツキスは、好きな人にはこのくらい厚遇する反面、嫌いな人の仕事だと「やるな」「優先順位をもっとさげろ」「あまり時間をかけるな」と指示する。これまた露骨である。
今週は、こんなケツキスにかき回されて、本当に腹が立った。月曜日にメールをあけるのが億劫でたまらない。
しかも、多忙になる年末年始に、またケツキスが同様の騒ぎを起こしたらどうしようか、と、いやな予感がしてたまらない我々である。
今週は本当に、会社のケツキス野郎にむかついてしまった。
このケツキス野郎は、ナリはでかいけれど内心はガキのアメリカ人である。一応私の直属上司にあたり、以前は同じ東京オフィスにいたが、その後転勤し、普段はシンガポールにいる。東京オフィスにいたときは、それほどでもなかったのに、APAC全体を見るようになってからは、露骨にケツキスぶりを見せるようになり、周囲を唖然とさせている。
話は一瞬それるが、私は、かつて、ゴマすりとは日本人の専売特許だと思っていたが、初めてアメリカ系企業で働き始めた遠い昔、アメリカ人のそれは日本人も真っ青なほどすさまじいものであることを知り、驚いた。まさに、ケツにキスどころか、なめろと言われたら靴の裏までなめるほどだ。出世のために、週末に上司の家へ行き、車を洗ったの犬の散歩をしたのと、涙ぐましいほどのゴマすりをしたという伝説には事欠かない。私が全くそういったことをしなかったため、その会社に入社してから2年ほど、アメリカ人上司と私はよく衝突した。彼は、なぜ私が彼にこびへつらわないのか全く理解できなかったらしい。さんざんもめにもめたが、結局、彼は肩書きほど能力もない変人だということがわかってきて、私が彼の仕事のできなさを頻繁に尻拭いするようになってから、彼も態度が軟化し、私に敬意を示すようになった。彼は結局、致命的な失敗を犯して逃げるようにアメリカに帰っていった。
話を元に戻す。そのケツキスは、アメリカ本社にも嫌われ(だからアジアに飛ばされたのかな)、東京オフィスでも評判がよろしくない。そのせいか、わずかに自分を好いてくれるAPACの少人数に対する肩入れが異常なのだ。
今週、オーストラリア支社から、
「○○大学との契約書、今月中に欲しいのだけれど、作成してくれないか」
と依頼があった。オーストラリアの契約書は、アメリカ本社で作っている。しかし、アメリカ本社は
「感謝祭で休みだし忙しいからだめ」
とむげに断ってしまった。それで、本社からケツキスに
「あんたの部下のところでやってくれないか」
と回ってきた。我々も手一杯だったし、アメリカ本社の「忙しいからダメ」という態度にもカチンときたので、一度は断ったのだが、ケツキスから
「やってやらないとお前ら殺すぞ」
並みの脅迫メールが来たので、渋々引き受けることになった。
しかし、その契約書は、背景が複雑で、過去の契約書を見てもこれまで提供していた製品の内容がさっぱり分からない。オーストラリアの営業担当は、いともたやすく
「●●製品を追加すれば済むだけだから、簡単でしょ」
などというが、現在提供している製品が何年から何年までのものかを特定してくれないと、契約書が書けない。しかも、追加する製品以外に10製品くらい利用しているようだ。詳細が分からないので、その営業担当に聞いたら、
「こちらもわからないわ」
と返答が返って来た。その顧客の営業担当なのに、現在提供している製品の年度も知らないで売ってくるといういい加減さにもぶったまげたが、このメールのやりとりを見たケツキス男が、
「Ms.**(注:この営業担当者の名前)にはコンタクトするな、負担だから。製品の提供年度はそっちで調べるか、インドのXX部に聞いて調べろ」
などと言う。自分の顧客の使用中の製品のこともわからないで営業しているという担当を叱るのが本筋だろうに、彼女に質問をした私を逆に「負担をかけるな」と叱ってきた。なんで彼女でなくインドにまでコンタクトしないとならないのか、ぶりぶりしながら、とりあえず、日本で調べられるところはPCを駆使して推測し、ダメ押しでインドにメールと電話をし、調べてもらった。来た回答はとんちんかんなところがあったが、それでもなんとかこちらで推測しながら、契約書らしいもの(注:当然だが全部英語)ができあがった。
しかし、これは本来米国本社で作成すべきもので、彼らでないとノウハウや背景は完全にわからないのである。感謝祭で忙しいという言い訳で作らされ、こちらのミスで責任を取らされたらたまったものではない。一応、できた書類をメールに添付したが、しかし、
「本件については、当方で100%内容を把握することが不可能なため、本書から生じるミスについて責任は負いかねます。ご了承ください」
と添え書きをしたら、30秒後にそのケツキス男から
「こんな失礼なことを書くな。謝れ」
というメールが来た。ばかめ、免責条項くらい書くのは契約書担当の常識だろうに。私は絶対に謝らなかった。
「ぼくが契約書の内容をチェックしてやるから、ぼくに送れ。Ms. **は最後まで絡ませないように」
という執拗な指示が来るので、ケツキスにそれを送ったら、まあ、犬か猫に見せるほうがまだマシでは?という、愚にもつかないようなコメントが返って来た。契約書のド素人に送るだけ無駄だったが、送らないとこれまた怒るだろうから仕方なかった。
あとで聞いたところ、このケツキスは、Ms. **が大好きなのだそうだ。自分が大好きな人、あるいは自分を好いてくれるわずかな人たちに対しては、それ以外の社員の10倍も100倍も優先順位をおかせ、熱意と手間を注がせてやまない。私は、契約書をリクエストしてくれた社員が誰であろうと、当たり前だが、仕事は絶対平等に取り扱う。優先も劣後もない。しかし、このケツキスは、好きな人にはこのくらい厚遇する反面、嫌いな人の仕事だと「やるな」「優先順位をもっとさげろ」「あまり時間をかけるな」と指示する。これまた露骨である。
今週は、こんなケツキスにかき回されて、本当に腹が立った。月曜日にメールをあけるのが億劫でたまらない。
しかも、多忙になる年末年始に、またケツキスが同様の騒ぎを起こしたらどうしようか、と、いやな予感がしてたまらない我々である。