社会保障費2200億円の資金捻出にあてようと考えられていたたばこ税の増税は、結局見送り、先送りになったそうだ。残念だなあ。
せめて1箱1000円くらいにはすべきだ。1万円だって高くない。
「値上げすると、買う人が減って思ったほど税収増にならない」
というのが今度の値上げ見送りの理由のようだが、そうだろうか。

喫煙者が減れば、たばこが要因となったり、危険性を増したりする病気にかかる人が減る。そうすれば国民の健康も増し、あわせて医療費の支出も減る。

喫煙者が減れば、清掃にかかる費用も減る。昔から、喫煙者は、マナーがなっていない人が多い。今ほど分煙がなされていなかったつい10数年前までなど、駅のプラットホームから線路を見下ろすと、おびただしい数のたばこの吸殻が落とされていたものだ。今だって、道の上には吸殻がいくらでも落ちている。喫煙者って、線路や道の上に吸殻を落とせば、自動的に消えてなくなるとでも思っているのであろうか。

また、たばこを吸い続けると、チリツモで、建物がヤニできたなくなる。喫煙者が減れば、多少は建物の美観の維持にもつながる。

私は昔、歩きたばこをしている人とすれちがったとき、手の甲にそのたばこが当たり、やけどを負ったことがある。時々ポスターで見るが、こどもの目の位置と歩きたばこの火が同じ高さなのはおそろしい。よって、歩きながら吸う喫煙者が減れば、たばこによる不慮の怪我を未然に防止できる。

たばこが火災の原因になることは言うまでもない。火災の減少につながり、消防に支出される税金も減る。

従って、たばこを値上げすることは、一見「プラスの税収増」にはブレーキがかかるかのようだが、社会保障費、税金、その他一般的な清掃費用の支出を大きく削減するのである。こちらの効果がもっと大きく叫ばれないのはなぜだろう。

最後に、非・喫煙者から見ると、喫煙者社員の休憩時間の不平等には腹立たしい。会社のお昼休みは、1時間と定められている場合が多い。その間に、食事や休憩を取り、他の時間はすべて労働にあてる、はずだ。しかし、喫煙者は、1時間の昼休み以外に、頻繁にたばこ休憩を取る。分煙化が進んだ今は、席で吸えず、建物の中か外に設置された「喫煙室」の中でたばこを吸わなければならないケースが多くなっている。我々非・喫煙者には嬉しいのだが、反面、その喫煙室まで結構往復時間を取られるようになった。よって、たばこを吸う時間を含め、1回に10分から15分くらいは席をはずしている。となると、1日に4回から6回たばこを吸いに行けば、昼休み以外に1時間くらい「Extra休憩時間」を軽く消費してしまうのだ。給料返せ~(爆)。喫煙者は、昼休みの時間から喫煙時間を引くべきだが、そういう人にはお目にかかったことがない。

蛇足だが、アメリカ人の夫は「大麻より、たばこの方がよほど中毒性がひどくて悪い」というのが持論である。