今日、午前中、健康診断があった。
昨夜から絶食して、すこしでも体重を落としていこうと思っていたのに、思ったほど落ちていなった。それもそのはず、人事部から健診のお知らせがあると、「いまから頑張れば○○キロくらいにはなれるだろう」と目算し、わざと数ヶ月先に予定を入れるのだが、もともと、昔デブだった余波で、体重計に乗るのが大嫌いなため、ちゃんとした体重管理がされるわけがなく、この目算が達成された試しはない。私が痩せるのは、「気苦労」か「病気」のいずれかでしかないのだ。体重は、身長マイナス110以下でなければならない、という呪縛があるのだけれど、ここ数年、この呪縛は、マイナス109かそこら、と、ちょっとクリアできないでいる。

社員は家族同然、という思考があった日本では、労働者に健康診断を受けさせるのは、法律で雇用主の義務として定められているが、これは世界でもまれなのではないだろうか。というのも、欧米諸国には、雇用主が従業員の健康状態を把握するなど、プライバシーの侵害と受け止める向きが多いからだ。昔勤めていた米国系企業では、直属上司が日本ではなく海外にいる社員が受けた健診の費用を負担してもらうために、その上司にコストセンターへチャージする旨メールで知らせると、「なんでそんな費用を会社のコストで負担しなければならないのか」と、ひどい抵抗に合い、日本ではこれが法だといくら説明しても、なかなか理解してもらえなかったことすらある。
しかし、勤め人が自分から率先して健康診断を受けることを期待するのも無理があろうから、私はこの日本の制度には賛成である。反面、こういうコストを嫌って、正社員を採用せず、派遣や請負を使いたがる原因にもつながるのだが。

まずいバリウムも飲んだし、子宮頸がんの検査も乳がんの検査もしてもらった。
最近は、健診センターでも、レディースデーを設けてくれる。今日の検査技師もお医者さんも女性で助かった。医師の問診の際には、巻尺を取り出された。例の「メタボチェック」である。知ってはいたけど、こんなことをするようになったのだねえ。60ウンセンチで、勿論合格。というか、見た目でいかにも90センチない人には、計ることすらパスしてくれないものか。

健診を終えたら、11時半。ちょっと早いランチタイムだが、夕べから絶食していたし、いやな体重測定も終わったので、ご褒美に、日ごろタブーにしているものを食べようと、油こってりの「中華弁当」を買った。エビチリだの、チンジャオロースーだの、茄子のひき肉炒めだのと、日ごろ恐ろしくて手が出せない(といっても、いつもは弁当持参なのだが)、油ぎとぎと、ハイカロリーの弁当を平らげた。なんか、悪いことをしているみたいでドキドキしたが、おいしかった。