テレビでメガネをかけている芸能人を見て気になったのが、メガネの位置の調整(フィッティング)ができていない方がいることです。多くの人に見られる仕事をしている人でもそのような状態なので、一般の人も同じような状態だと推測されます。
 メガネの購入手順を記載するので、参考にしてください。

両目の距離や視力を測る

  1. お店で視力検査し数値を教えてもらい、いくつかある項目からPDという項目の数値を確認する。
  • 体調によって視力がある程度変化します。体調が良すぎたり、悪すぎたりする日は避けましょう。
  • 視力検査の度数以外の数値を教えてもらえないときは、お店を変えましょう。
  1. 現在使用中のメガネの数値を計測してもらい、PDを確認する。
  • 数値を教えてもらえないときは、お店を変えましょう。
  • 2の数値が1の数値と2mm以上ずれていると現在使用中のメガネは焦点が合ってないことになります。


メガネフレームの選び方
 完成したメガネの度が合わなかったときに、レンズを作り直すサービスがあるか確認しましょう。そのようなサービスがない場合、1本目は安いメガネを買って、2本目は本命のメガネを買いましょう。

  1. 鼻パッドとパッド足(鼻パッドとフレームの間の針金のような部分)がついているものを選びます。
  • パッド足がなく樹脂フレームが少し張り出している形状のものは、パッド足の調整ができないため、フィッティングできる範囲が狭くなります。
  • 樹脂フレームのメガネが日本製であれば、パッド足の調整ができなくてもメガネの高さが丁度良い位置にくる可能性が高まります。
  1. メガネフレームの印象と自身の印象付けたいものと近いものを選びます。
  • メガネの印象とは、メタルフレームは真面目・クール、樹脂フレームはフランク・温かみ・かわいいなどです。
  • レンズ部分が小さいメガネフレームは、真面目・クール。大きいものはフランク・温かみ・かわいい・面白いなどの印象です。
  • 顔の形とメガネの形の相性で選んでも似合わないことがあります。丸顔に四角いメガネが似合うとされていますが似合わない人がいます。
  • 眉毛と上のフレームの形状が近いと似合うことがありますが、某イケメンの画像にメガネを書き足して実験しましたが、眉毛のラインに沿うようにフレームを書いてもイマイチ似合いませんでしたので、重要な要素ではありません。
  1. 買いたいメガネフレームを手に取ったら、メガネにプリントされている数字(例:47□21)を探します。
  2. □(四角)の左の数値と右の数値を足します。(例:47+21=68)
  3. 4で計算した数値がフレームPDと呼ばれるものです。
  4. フレームのPDが自身のPDよりも+2程度大きい場合、黒目がレンズの中心よりやや内側に位置し、見た目のバランスが良くなるはずです。
  • フレームPDとPDの差が小さいと、度付きレンズがメガネフレームに入った時に、レンズの厚みが目立ちにくくなります。
  • フレームPDとPDの差が大きいメガネフレームを試着して鏡で確認すると、違和感がでて似合わないと感じるはずです。
  • ネット上の「レンズの大きさによる顔の印象の違い」の比較画像や映像では、フレームPDが違っていたり、レンズと眼の距離が違ったり、レンズの度が違うなど、効果を強調するために条件を変えているため、信用できないものが多くあります。
  • レンズ部分が小さいメガネは、目の錯覚(デルブーフ錯視)を利用して目を大きく見せることができると言われていますが、フレームPDやメガネフレームの印象を優先させた方が良いので、デルブーフ錯視を利用できる状況はまれでしょう。


度付きレンズを入れる前のフィッティング

  • 度付きレンズを入れる前のフィッティングを断る店は避けた方が良いです。お店を変えましょう。
  • フィッティングは店員にまかせると耳に掛ける部分(テンプル+モダン)の調整だけでフィッティングが終わることがあります。
  • 眼鏡作製技能士という資格がありますが、広範な知識を求められる資格でフィッティングに特化していません。理想のフィッティングができる店員がいるかどうかわかりません。妥協が必要かもしれません。
  1. レンズと眼の距離(頂点間距離)を調整。
  • レンズが離れすぎると目が小さく見えます。レンズが近いとまつ毛が当たって、レンズが汚れます。
  • 頂点間距離は12mmが適切になるようにレンズが作られているそうです。
  1. レンズの角度を調整。
  • 横から見た時のレンズの前傾角度。近くを見るメガネは約15度、遠くを見るためのメガネは5~10度らしいです。
  1. メガネフレームの高さを調整。
  • 正面から見て、レンズの中心より黒目の中心がやや上になるメガネの位置が、見た目的にも光学的にもベストです。
  • よくある失敗例は正面から見たとき、メガネが下がっていてまつ毛が上のフレームと重なって見えるパターンです。とぼけた感じに見えます。頂点間距離が広がり、レンズの度が足りなくなります。猫背かつ顔が前に出る姿勢になりやすいメガネ位置だと考えられます。
  • まれにある失敗例ですが、レンズの中心に黒目の中心がぴったり合う(フレームPDとPDも一致している)とカッコ悪く見えます。
  • 左右の目の高さが違う人は調整が難しいかもしれません。
  • 鼻パッドを調整しなければならない調整ですが、下がりすぎているメガネフレームの位置を適切な位置まで上げるための調整ができない店員がいます。度付きレンズを入れると重みでさらに下がるので、お店を変えた方が良いでしょう。
  • フィッティングは1~3の条件を同時に満たさせなければいけないため、高度な技術を要します。
  1. そり角の調整(眉間のフレームを変形させる)というのもあるらしいです。
  • 樹脂製のメガネフレームでは調整できないと思います。


度付きレンズを注文

  1. お店ごとに扱っているレンズが違いますので、店員の説明を聞いて納得できるグレードやオプションを選んでください。
  • レンズの度を試すための1本目は安く抑えても良いかもしれません。
  • レンズを作り直せるサービスのあるお店は、作り直すときにグレードやオプションが変更できるか確認しましょう。
  1. 発注するレンズの設定の数値を確認してください。
  • 店員が善意で現在使用中のメガネと近い数値で設定することがあります。
  • 例:発注するレンズのPDを現在使用中のレンズのPDとの間をとったり、現在使用中のレンズに乱視が設定されていなかったので、今回の視力検査で乱視が発覚してもレンズに乱視が設定されていないなど。
  1. 今回測った数値でレンズを発注するようにお願いしてください。
  • 店員から近距離用は弱く、遠距離用は強くなどお勧めされるかもしれませんが、まずは検査の数値通りの設定にしましょう。
  • 発注するレンズの設定を教えてもらえないお店でメガネを買うのはやめましょう。


度付きレンズを入れた後のフィッティング

  • 度付きレンズは試着時のメガネについていたプラスチックのレンズより重いので、試着したときよりもメガネがずり落ちます。
  • 度付きレンズを入れる前と同様にフィッティングしてもらってください。


レンズの度があっているか確認する
 新しいメガネをかけて、片目ずつレンズの度が弱いのか強いのか確認しましょう。
 古いメガネとの見え方の違いから、正解が導けるかもしれません。
 例えば、新しいメガネの度が-5.00でやや強いと感じる、古いメガネの度が-4.00で弱いと感じる場合、-4.75か-4.50辺りが見やすいと思います。
 度があっているはずなのに、遠くのものがブレて見える時は乱視の設定が合っていません。体調がいつも通りならば視力検査をやり直す必要があります。
 修正した数値でレンズを作り直してもらうか、2本目のメガネを買いましょう。


すっきり見やすく似合うメガネが作れると思います。試してみてください。


(おまけ)市販品のメガネフレームでは丁度よいサイズがない方向けの情報
 お顔の大小や、目と目の間隔が狭かったり広かったりする方には、市販のメガネフレームでは対応できない場合がありますが、樹脂フレームなら1個からオーダーメイドできるところがあります。
 金属製フレームでオーダーメイドをしようとすると、最低200本~300本のセットで買わなければならないので、個人で買う量ではなくなってしまいます。