■中国は台湾進攻も日本進攻もしない

 

最近世界の雲行きが怪しくなっています。昨日はハマスのイスラエル攻撃によって罪なき多くの市民が犠牲になりました。一方ウクライナとロシアの紛争はいまだ継続しており、引き続き多くの犠牲者が出ています。また戦争以外に世界中で大規模な自然災害が発生し、多数の犠牲者が出ています。このように異常事態が世界中で起っているにも関わらず、アメリカ経済は好調で、日本も企業業績が好転しているようです。いったいどうなっているのでしょうか。中国は不動産バブルの崩壊で、多額の借金を抱えた中国人が生きるか死ぬかの状態に陥っています。またアメリカなどからのハイテク製品輸出規制や中国人に対する制裁で中国の産業はガタガタです。中国の若者の失業率は政府発表の20%よりも遥かに高い40%以上と言われ、50%を超えたのではないかとの声も聞かれます。中高年は一度失業すれば再就職の機会はなく、現在の仕事に必死でしがみ付いているのですが、不動産バブルの崩壊によって地方都市の財政がひっ迫し、既に破綻した都市がいくつもあります。このような状態で公務員の給料が支払われないケースもあり、中国では今日生きることすら難しくなっています。中国経済をけん引する上海市の中心部では、オフィスビルの空室率が20%に達しています。実際はもっと多いでしょう。5本のビルの1本がすべて空室ということです。これは相当酷いですよ。上海は見渡す限り高層ビルですので、その5本に1本がすべて空室は恐ろしいですね。北京や深圳ですら同じ状況です。これで中国経済が以前よりもよいとはとても言えません。

 

昨年1年間で中国を訪れた外国人は5万人のみで、その半数以上が台湾人、香港人、マカオ人だったそうです。要するに一年間で中国を訪れた中国系以外の外国人は甲子園球場の外野席の人数程度だったのです。北京に数年前オープンした世界最大の空港である大興国際機場ですら、一日の国際線の便数が1桁と非常に少ないようです。今は国慶節で海外旅行に出かける中国人もそこそこいますが、それでも例年よりは遥かに少ないでしょう。北京や上海の大企業、外資企業、中央政府に勤める人はまだそこそこ所得があるでしょうし、資産もあるでしょうから海外に出られるわけで、それ以外の地域の人は既に余裕資金がなくなっているように思います。コロナ前はまだ中国の不動産価値が下がっていなかったため、更に値上がりすることを期待していた向きがあります。しかし今は不動産のほぼすべてが暴落しているため、不動産に失望する人が大半です。これまでは欧米の機関投資家などが中国に保有する大量の資産を売却することなく、中国政府の政策変更に期待していたわけですが、それが今になってもう回収できる見込みがかなり低いと判断し、中国関連資産の売却を本格的に始めました。その中には不動産も含まれます。そして人民元は暴落し、中国企業の株価も下落が加速しました。欧米人はもう中国投資は当面無理と考えたのです。しかし、一部の欧米投資家はまだ諦めず、アメリカ政府を動かして中国政府との関係修復に動こうとしているのです。そこにアメリカの対中政策のチグハグが見えてきます。特に民主党政権はバックにアメリカ及び世界経済を陰で操るデイープステートの存在があり、その影響によって対中政策を変更するのです。ですから日本はアメリカと一線を画す必要があります、梯子を外されますから。昨日アメリカ上院総務のシューマー氏が超党派議員を引き連れて上海に入り、上海市の陳書記と会談しました。その中で民主党のシューマー院内総務は、「米中は対立ではなく競争を目的としている」と発言しました。これはかなり中国に配慮した発言です。更にシューマー院内総務は習近平総書記との会談も期待しているとのことでした。このところ中国の商務長官、財務長官などが次々と中国を訪問しているのです。何故ならば、これは中国にアメリカ資本家の資産を没収させないようお願いする目的があるからでしょう。アメリカにとっては台湾よりも中国なのです。ですから表と裏では考えが真逆だと思っています。これを現在の岸田内閣は見誤っているように思います。もし習近平の気が狂ったとしても、台湾進攻することはないです。逆にあるとすれば沖縄や尖閣侵攻でしょうけれど、その可能性も低いです。習近平の気が狂えば核兵器を日本の何処かに落とす可能性すらありますが、まあ臆病な習近平には無理です。中国としてアメリカが過去2回も日本に核兵器を投下したのに、世界はそれに対する制裁をアメリカに科していないのだから、中国にも核兵器を使用する権利があると言い出す可能性は確かにありました。しかし習近平はそれが中国破滅に繋がることを知っています。本当は万一に備えて日本も核武装する必要がありますが、難しい問題です。ただしアメリカは恐らく中国に核兵器を打たないでしょうから日米安保条約は90%の確率で裏切られると思っています。

 

私はこの20年間で得られた豊かさを中国人が放棄するとは考えられません。中国人は昔から危機に遭遇すれば遠方の地に移動をして一族の安全を確保します。昔は歩いて移動しましたが、今は飛行機や船で海外に出ます。今の中国については、肌感覚ですが非常に危険です。中国の軍隊は元々一枚岩ではありません。そんな中、習近平の支配強化とそれに合わせた軍幹部の粛清によって、軍内では反習近平の姿勢が鮮明になっていると思われます。このため、もし習近平が台湾進攻や尖閣侵攻を命じた場合、もしかすると中国の戦闘機は台湾や日本でなく、北京に向かう可能性もあります。最後の手段でミサイルで習近平暗殺を企てるのではないかと思うのです。それを習近平は最も恐れているので、下手に台湾進攻を命じられません。習近平の気が狂って核兵器を持ちだしても、恐らく長老が止めるでしょう。中国政府はそれほど愚かではないと思いますので、最後の最後は習近平を取り押さえてでも中国の破滅を防ぐでしょうし、それによって新たな暴君が誕生すると困りますが、習近平が失脚すれば、中国は必ず民主化に向かうと思います。そうでなければ中国国民が反乱を起こしますから。アメリカは何とか中国を焚きつけて台湾に何らかの攻撃をさせようと企てたいでしょうが、結局中国はその手に乗りません。アメリカの魂胆を見透かしているのです。ところが日本はアメリカ側からしか何も情報が得られないので何も見えないため、中立の立場での報道ができません。中国は強い相手に手を出しませんが、弱い相手にはグイグイ攻めてきます。日本は中国にとって何とでもなる弱い相手と見做されています。特に自民党と公明党ならお茶の子さいさいでしょう。それだけ自民党と公明党の議員には中国に支配された輩がいるということです。こんな政党に国家の安全を託すことなどできないですよ。自衛隊はしっかりしているので、政権はまともな判断さえできれば何処でもよいのです。

 

残念ながら今の日本の政治家には、中国に取り込まれた議員は大勢いると思われますが、中国政府高官と直接会話ができる政治家が一人もいません。これでは中国を説得することも日本の立場を正しく理解させることもできません。鈴木宗男議員が先日ロシアを訪問し、ロシア外交部の外務審議官と面会した際の会談内容を問題視した維新の会が、鈴木議員を除名処分としました。鈴木議員のように、ロシア政府高官と直接腹を割って話せる議員は非常に重要であり、このような個人的外交ルートは絶やしてはいけません。日本のように独自の外交交渉ルートを持たず、何かあれば外国に依存するようなことでは日本の将来が心配です。鈴木宗男さんは何もロシアのエージェントではないと思います。中国やロシア、北朝鮮のような独裁主義国については、政府のトップやそれに近い立場の人間と直接の関係を有する政治家がいれば、それは我が国の国益を守る観点からも非常に重要であると思います。このような国との外交は普通の感覚でやってはいけません。特殊な国には特殊なやり方が必要なのです。相手も人間ですから、本当に親しい間柄の人間の顔は必ず立てます。できない場合は事前にできないと言うでしょう。そういう意味では外務省などを通じた先方への連絡では真の友情は築けず、相手はあくまで国対国の付き合いに徹し、そこに個人的な関係は存在しません。個人的な外交関係を上手く使うのがアメリカやイギリスだと思います。日本は頭が固すぎます。もっと柔軟な思考でスパイに騙されないよう注意しながらも、個人的な関係を築いて日本の安全に寄与して欲しいと思います。