![“JACKPOT DAYS” all performed by Billy.-110703_214508.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20110703/21/nightonfool/9b/51/j/t02200391_0480085411328424262.jpg?caw=800)
![“JACKPOT DAYS” all performed by Billy.-IMG_0413.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20110703/21/nightonfool/b9/aa/j/t02200330_0333050011328424255.jpg?caw=800)
雨の匂い、アスファルト、走るトラック、水飛沫、
テールの赤が乗り移る、
倒れたまんまの自転車と、ざわめきたつ夜の木々、
幹線沿いのバーガースタンド、吐き気がするのに飲み足りない、
流動する景色と意識、
なにもないからなにもいらない、シャツの袖から匂うのは、
彼女の好きなシャネルの香水、
そんなのキライなんだと言ったけど、
いつの間にか慣れていて、雑踏に紛れるたびに、その匂いを探してる、
どうでもいいって言えればいいな、
いまはまだムリそうだけど、
ダクトからの生温い、排気が僕を包んでく、
歩いてたんだ、どこからなんだ、
たぶん向日葵咲いてた風車の街の、
時計台のあたりだろう、
チェーンが一周、マーケットは無人の楽園、
故障明けのバンで乗りつけ、
積めるだけを奪ってくんだ、
星の巡りは最高の日だと、占い師は言っていたのに、
どうにもそうも行かないらしい、
手早く汚す手、いまはそれ以外に術がない、
選べる手札は一枚だけだ、
ただの一人も傷つけない、それがたったひとつのルール、
夜は泥の混ざった黒で、
僕はあの娘が欲しがった、あらゆるものを掻っ攫う、
サイレンが鳴ったなら、答はひとつ、
風より速く走り去れ、
illustration and text by Billy.
photograph by aya.