☆疾風のレスカース | ワールズエンド・ツアー

ワールズエンド・ツアー

田中ビリー、完全自作自演。

完全自作、アンチダウンロード主義の劇場型ブログ。
ロックンロールと放浪の旅、ロマンとリアルの発火点、
マシンガンをぶっ放せ!!


“JACKPOT DAYS” all performed by Billy.-110703_214508.jpg

“JACKPOT DAYS” all performed by Billy.-IMG_0413.jpg



雨の匂い、アスファルト、走るトラック、水飛沫、
テールの赤が乗り移る、
倒れたまんまの自転車と、ざわめきたつ夜の木々、
幹線沿いのバーガースタンド、吐き気がするのに飲み足りない、
流動する景色と意識、
なにもないからなにもいらない、シャツの袖から匂うのは、
彼女の好きなシャネルの香水、

そんなのキライなんだと言ったけど、
いつの間にか慣れていて、雑踏に紛れるたびに、その匂いを探してる、
どうでもいいって言えればいいな、
いまはまだムリそうだけど、
ダクトからの生温い、排気が僕を包んでく、
歩いてたんだ、どこからなんだ、
たぶん向日葵咲いてた風車の街の、
時計台のあたりだろう、

チェーンが一周、マーケットは無人の楽園、
故障明けのバンで乗りつけ、
積めるだけを奪ってくんだ、

星の巡りは最高の日だと、占い師は言っていたのに、
どうにもそうも行かないらしい、
手早く汚す手、いまはそれ以外に術がない、
選べる手札は一枚だけだ、

ただの一人も傷つけない、それがたったひとつのルール、
夜は泥の混ざった黒で、
僕はあの娘が欲しがった、あらゆるものを掻っ攫う、
サイレンが鳴ったなら、答はひとつ、
風より速く走り去れ、



illustration and text by Billy.
photograph by aya.