目覚めたら左の胸を撃ち抜かれてた、
トマトソースが溢れるくらいの赤が流れる、
なんだよ俺は殺られちまったのか、
面倒そうに立ち上がる、
膝から空気が抜けるみたいだ、
両手で宙をかき混ぜる、
月と太陽、どちらも青みがかってた、
どちらも白く霞んでた、
まだ眠りたりないらしい、
何度眩きしてみても、
指の数さえ数えられない、
ツバメ雨とカラス風、
螺旋描いて落ちる星、
あの娘と手を繋いで歩いた、
昨日みたいに憶えてる、
掟を破った、継がれしものに唾をした、
それから狗を拒絶した、
生憎こちとらチンピラ風情、
どちらさんにも用はないって、
金塊よりも仇討ちを、
掲げる旗なら焼かれちまった、
拾い集めた灰を握った、
とどまりようにも生きるには、
償いばかり強いられる、
海面に陽が落ちる、
与闇があたりを包んでく、
ビーズのブレスが弾けたみたいだ、
生き永らうも悪くはないこの世界、
あたりは暗く、占い師が路に着く、
濡れて光るバングルを、
二つ用意したまま倒れられない、
早くひとつを恋人に、明けるころには帰れるだろう、
灯る灯台、そこから歩いて100マイル、
いまはちょうどレンゲの季節、
眠りつくまで早く帰ろう、
