
折れた鳥は目を閉じて急滑降、サイレン鳴らしてカーブのパトカー、跳ね返す、飛び散る翼、
羽根一枚ずつに赤、ふらふら宙を舞っている、
視界をなくした白黒ツートン、スピンしながら群集、歩道に乗り上げた、
割れる悲鳴と衝撃音、あらゆる原色弾ける景色、
かじりつくアスピリン、金髪碧眼、空腹は眠りでなかったことに、不要の子供達は下水溝の隙間で眠る、ガソリンで金髪洗って、真冬の都市を練り歩く、食べたいのはチーズバーガー、デザートにプディングがあればいい、いつか母親に買ってもらったことがある、
仲間の少女が連れ去られたのはいつだっけ? 笑ってくれたらいいけれど、あの娘の笑顔を忘れてしまった、
僕の敵は誰だ?
ライフルを担いで無音の森で息を潜めてる、視界に入った奴を撃て、それしか教えられてない、正しいとか正しくないとか、そんな理想はこの世界じゃ役に立たないって、繰り返し聞かされた、
なのに、僕は誰かの理想のために引き金に指をかけ、耳を澄ました、人を撃つ準備をしてる、
額から垂れた汗、それが音にならないように眼を閉じる、
人差し指に力をこもる、
閉じた人工、闇のなか、太陽を拒絶する、ここは僕の天国、楽園、エルドラド、居場所はもうここしかないし、他にいるものなんてない、
ディスプレイにしか仲間はいないし、敵もいない、恋人だってここにいる、
リアルとバーチャル、どこに差があるんだろう?
霞む眼こすって、朝が訪れたことに気づかないふりをして、
羽根をもがれた鳥たちさ、あんたらを笑ってる、君をだ、僕もだ、ヒトってやつだ、
自由なんて欲しがっちゃいないんだろう?
呼吸してさえいれば、生きてるって思ってるんだろう?
愚か者に黄金はいらないから、鳥はありったけをさらってくれる。
鳥たちは真っ黒で、あんたらに色はない。
舌を出して笑ってやがる、何処にゆくかは翼が決める、
風が流れるところが行き先なんだ、人はずっと立ち止まっていなよ、暇つぶしに見ててやるから、
空を見上げれば、カラスの群れが泣いている、いつしか嘆いて笑ってる、
この世界を生きる僕らはいつだって、欺く黒に笑われている、