空を睨んでた、止まない汚れ雨が目にしみる、晴れる日なんて憶えてすらない、フリオールはブラヤ街で空にカメラを向けている。
日付が変わるだけ、それ以外は変わらない、人々が歳を重ねて老いてくだけさ、フリオールはくわえタバコでライターに嘆いたつもり。
花も咲かず、空気は澱み、道行く恋人たちさえ陰欝で、色がつかない、棄てネコみたいに怯えて見えた。
フリオールは自分の歳を忘れてる、季節がないから、数の列びも忘れているから、彼は変わらず、ブラヤの空を眺めてる。
今日も昨日と変わらない気がした、
きっと明日も澱み雨が降るばかりだ、
牛車が行き交い、見知らぬ葬が列をなし、燈したランプは風に消された。
悲しくて狂いそう、フリオールは街を呪った。
空を睨んでた、止まない汚れ雨が目にしみる、晴れる日なんて憶えてすらない、フリオールはブラヤ街で空にカメラを向けている。
自由な空ばかりを夢想するからフリオール、貨物列車に気がつかなくて、レールにつまづきカメラは飛んだ、
その上、列車が走って行った、気がつかないままカメラは散って、代わり映えない空の彼方へ彼も散っていなくなった。