ガラスの城に生まれた少女はその手、何かを触れたことがない、華奢なガラス細工みたいに大切にされ、フォークを握ったこともない。
“世界は汚れに満ちているから”
少女は城の外を眺めるしかない、窓から覗く昼間には小さな子供たちがはしゃいでる、キラキラ水を弾け飛ばして、きゃらきゃら光に躍ってる。
生まれ変わりがあるならピアノ、私はピアノになりたいって少女は願う、
夢にまで見る、奏でられて歌をうたう、鳴らない声がメロディつくる。
世界が果てなく続くのならば、少女が知るは点にも過ぎず、窓から見つめる遠くには地平の線まで見渡す草原、とろとろ光はとろけ落ち、妖精たちは笑ってる。
生まれ変わりがあるならピアノ、私はピアノになりたいって少女は願う、
白黒交互に塗ったマニキュア指先、鍵盤みたい、鳴らない声でメロディつくる。
胸に鳴るのは新しい歌、
胸に響くはよろこびの歌、ピアノになるから、待っていてよ、終わらないまま続いていてよ、
生まれ変わるとピアノになるから、
生まれ変わるとピアノにしてよね。