姿のない何者かの質問は続いてる。
“何を望む、お前は今、そしてこれから、何を望んでる”
望むはそう多くない、たかがしれてる。片手で数えきれるくらいのものだ。
“果てまでゆく覚悟はあるか”
果て?
“そう、果てだ。見果てぬ先だ、行き着く最後でお前の最期だ”
分からない、だが、覚悟する必要はある。生きているからだ、僕はまだ生き続けるからだ。
“質問はこれで最後だ、お前には私が誰か分かるのか”
分かるような気がする。
“そうか、では私は天使か悪魔か”
どちらでもない、どちらでもいい。どちらにもなれはしない。
“答えてみろ、私は誰だ”
君は、僕だ。
過去、現在、未来。僕に寄り添い付き纏う影、僕自身だ。
“良かろう。では行くがいい”
ついてくるつもりだろう、好きにすればいい。
“構わないのか”
君より僕のほうが遥かに自由だ、好きにすればいいさ。
僕は目を開け、扉を開ける。