明けてく朝、まだ夜が残る西の雲に七色、半円がアーチを描いてた。
かなた緑の頂上から伸びて、尻尾は鉄骨、塔に刺さってる。
アパートメントの窓から見つけたそれを追いたくて、寝ぼけまなこ、タバコを吸ってる恋人を抱きしめた。
ねえ、あの虹のどちらか端に行ってみよう。ふもとには宝が眠ってるって聞いたことがあるんだ。
月曜朝の憂鬱を煙と一緒に吐き出して、「子供みたいなこと言わないでコーヒーいれてよ」なんてリアリストはつまらないことを言う。
フィッシュテイル・コートを放り投げて、僕は革のトレンチ羽織る。ゴミ捨て場から貰ったお気に入り。
エンジン鳴らして、欠伸の恋人抱えて乗せて、はるか西へ走り出す。部屋のドア開けっ放しで、まあいいや盗りたいものならくれてやる、なんだかいい気分。
解放されて、今日は虹の尾を捕まえるって決めたら新しい朝、さえずるスズメとコールタールみたいな空に白いサギが群れてじゃれてる。幸せそうだねなんて、サイドミラーに声をかけた。
宝は何がいい?
君は何色が好きなんだっけ?
キラキラした石が落ちてるかもね。
たどり着いたら、リヤシートで愛し合おう。
虹はきっと悪くない日々が始まるサインだ 、リヤシートで抱き合おう。