子供達だけが住む新しい国、それは廃れたアパートメント。
傾く廃墟、黄色と黒のテープに巻かれ、出入口は閉ざされてる。
昼の間は無人のコンクリート、太陽が沈んだあとに国が生まれる、
電気も水道もなくて、ロウソクの火を燈して夜だけを過ごす国。かたまりあって寒さをしのぐ、
少年たちと少女たちは生き場所なくして、ふらふら浮浪しているうちにこの国に集まった。
それはきっと、世界でいちばん新しい国。
誰もが自由で縛り付けるものはない。ルールに拒否された子供達がつくった国だから。
秘密基地をつくる楽しさがルールを拒む。
深夜、月のひかりの下で、ささやかなパーティをする。持ち寄ったハンバーガー、カフェオレ、パスタを散らかして、トマトケチャップぶちまける。
見よう見真似のタギング、鉄扉の「Love&Free」、ひとりの少女が金網上って歌い出す。
誰も知らない、新しい国の新しい歌、少年たちは覚えたてのメロディだけ口ずさむ。
愛と自由を拙い言葉で歌った汚れていない歌。
ずっとここで生きてたいって、子供達は星に願ってる。